ラグビー世界12カ国最強決定戦
ネーションズチャンピオンシップ
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フランス代表のネーションズ・チャンピオンシップに向けた遠征メンバー33名が発表された。6月15日に発表された28名のリストをベースに、TOP14準決勝で敗退したラシン92とスタッド・フランセの選手が合流。さらにSHマキシム・リュキュ、SOマチュー・ジャリベールらが加わり、先のシックス・ネーションズでは選外となっていたWTBダミアン・プノーも復帰を果たした。なお、初戦のニュージーランド戦ではリュキュがキャプテンを務めることも発表された。
フランス代表の夏の遠征といえば、これまでは主力選手を休ませ、新戦力発掘の場として活用されるのが常であった。指揮官であるファビアン・ガルチエHCは、自身が直面してきたフランス特有のジレンマと選考基準について次のように明かす。
「私は常に、2つの制約がある中で、可能な限り最高のフランス代表チームを作ろうと努めてきました。第一の制約は、私たちが遠征に出発する時点で、国内リーグ(TOP14)がまだ終わっていないという点です。世界中を見渡しても、このような状況にある国は私たちだけです。
そして第二の制約は、選手の健康面です。11か月におよぶレギュラーシーズンを戦い抜いた後であることを考えると、心身のコンディションを見極めるのは決して簡単なことではありません。私は代表ヘッドコーチに就任して以来、常にこの2つの制約に配慮しながら、身体的にも精神的にも万全な状態にあり、かつ強いモチベーションを持っている選手を選考しています」
遠征スコッドの最終的な枠は42名となっており、今週末のTOP14決勝を戦うチームからも、さらに9名の選手が追加招集される見込みである。
本来、代表チームは国内最高の選手たちで構成されるものだが、フランスではリーグ戦との兼ね合いからそれが困難であった。ガルチエHCは「なぜフランス代表が最高の選手たちを揃えずに遠征へ出発するのか、理解に苦しむのは我が国くらいでしょう。世界のラグビー界から見れば、時に理解しがたいことなのです」と、これまでのフランスのあり方を皮肉を交えて振り返る。
しかし、状況は代表チームにとって好転しつつある。
「リーグやクラブとの協定のおかげで、昨年、初めて決勝に進出したトゥールーズとボルドーから5人の選手を招集できました。昨年は、所属クラブのHCや会長からの許可があって初めて私が選考できるという状態で、私の決断順位は3番目でした。しかし今年は、リーグとの間で結んだ新たな協定のおかげで、依然としてクラブ側との話し合いは必要であるものの、私の決断が第1順位となりました。HCや選手たち本人との話し合いを経た結果、私たちは現在、決勝に進出するチームから9名もの選手を選出できる可能性を手にしています」
このように、より代表主導での選考が可能になった背景を説明した。ただし、あくまで決勝を戦う選手たちが怪我をしないことが条件であると付け足すことも忘れなかった。
選出されたメンバーの中には、ワールドラグビー、そしてガルチエHC自身が指針として掲げるプレー時間「2000分」を超えている選手も含まれている。これについて指揮官は次のように語る。
「それは紛れもない事実です。選手たちは膨大な試合数をこなしており、彼らの健康を守ることが最優先です。実際に多くの選手が2000分に迫っています。大幅に超えている選手もいれば、わずかに下回っているものの疲労の兆候が見られる選手もいます。身体からの危険信号が出ているため、招集を見送らざるを得ない選手たちもいました」
実際に、グレゴリー・アルドリットやポール・ブドゥアンらは負傷のため選外となった。また、ジャン=バティスト・グロ、ジュリアン・マルシャン、フランソワ・クロス、トマ・ラモスらについては、これ以上の負担をかけないために、今シーズンはここで区切りをつけさせたと補足している。
その一方で、コンディションに懸念がありながらも、遠征への強い熱意を示す主力選手たちもいるという。
「少なくとも1試合か2試合のテストマッチでプレーしたいという、強い意志と確固たるコミットメントを示してくれている選手たちもいます。この可能性については、我々と選手たちとの間で合意に達しています。つまり、彼らが今回遠征に参加するのは、何よりも『彼ら自身が望んでいるから』なのです。彼らはニュージーランドへ赴き、この大会を戦うことを必要としているとさえ感じています」
新たに創設されたネーションズ・チャンピオンシップについて、指揮官は大きな期待を寄せる。
「まさに絶好のタイミングで訪れました。今回選出された選手たちの多くは、まだ南半球でのプレー経験がありません。オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチン、そしてニュージーランドのいずれの地も未経験なのです。彼らには、ニュージーランドやオーストラリアでプレーする権利があるはずです。世界最高峰の相手に立ち向かう権利がある。本来、それぞれのポジションで国内最高であるならば、それは当然与えられるべき権利なのです」
会見では、スター選手に関する質問に色をなす場面もあった。「アントワンヌ・デュポンもTOP14の決勝が終わった後に合流するのは確実か」という記者からの問いに対し、次のように述べて質問者をたしなめた。
「私は今、遠征に出発する選手たちのリストと、隣にいるキャプテンのマキシム・リュキュを皆さんに紹介しているところですよ。今まさに出発しようとしているこのチームに関心を持っていただきたい。物事にはそれぞれ順序というものがあります。そのような質問をされるのは心外ですらあります」
現在のフランスは歴史的な猛暑に襲われており、ブリスベンへの出発前には、40℃近い気温の中で激しい練習が行われていた。過酷な環境での準備について、指揮官は次のように結んだ。
「私たちは可能な限り最高の準備をしたいと考えていました。私たちには大志を抱く権利、そして夢を見る権利があります。我々には現地へ赴く明確な理由があり、ニュージーランドと対戦する必要があるのです。
現在のフランスのスポーツ界のニュースは、2026年サッカーW杯と、そこで素晴らしいパフォーマンスを見せているサッカーフランス代表の話題で持ちきりです。そして、もうすぐツール・ド・フランスも開幕します。そのような状況の中で、ほんの少しでも『東の空』へ目を向けてもらえる瞬間があればと願っています。地球の東側で我々が何をしているのか、ファンの方々に観たいと思ってもらえるようにしたい。選手たちがクライストチャーチで行われるニュージーランド戦で素晴らしい試合をするために、最大限の鍵を手にできるよう、私たちは最善を尽くしています」
【フランス代表 ネーションズチャンピオンシップ2026南半球シリーズスコッド】(33名)
<HO>
マキシム・ラモット(ボルドー/27歳/3キャップ)
バルナベ・マサ(クレルモン/22歳/0キャップ)
<PR>
ジェファーソン・ポワロ(ボルドー/33歳/36キャップ)
レダ・ワーディ(ラ・ロシェル/30歳/16キャップ)
モーゼス・アロ=エミール(スタッド・フランセ/26歳/0キャップ)
デンバ・バンバ(ラシン92/28歳/31キャップ)
シピリ・ファラテア(ボルドー/29歳/14キャップ)
レジス・モンターニュ(クレルモン/25歳/7キャプ)
テヴィタ・タタフ(バイヨンヌ/23歳/2キャップ)
<LO>
ミカエル・ギヤール(リヨン/25歳/18キャップ)
ユーゴ・オラドゥ(ポー/22歳/12キャップ)
ボリス・パリュ(ボルドー/30歳/2キャップ)
トム・スタニフォース(カストル/31歳/0キャップ)
<FL/NO8>
オスカー・ジェグー(ラ・ロシェル/23歳/13キャップ)
キリアン・ティクセロン(クレルモン/24歳/3キャップ)
ピエール・ボシャトン(ボルドー/25歳/2キャップ)
テモ・マチウ(ボルドー/24歳/1キャップ)
マルコ・ガゾッティ(ボルドー/21歳/1キャップ)
エステバン・カピラ(バイヨンヌ/23歳/0キャップ)
<SH>
マキシム・リュキュ(ボルドー/33歳/30キャップ)[C]
ノラン・ルガレック(ラ・ロシェル/24歳/14キャップ)
<SO>
マチュー・ジャリベール(ボルドー/27歳/39キャップ)
アントワンヌ・アストイ(ラ・ロシェル/29歳/10キャップ)
<CTB>
ヨラム・モエファナ(ボルドー/25歳/39キャップ)
エミリアン・ガイユトン(ポー/22歳/13キャップ)
ニコラ・ドゥポルテール(ボルドー/23歳/9キャップ)
ファビアン・ブロー=ボワリー(ポー/20歳/2キャップ)
<WTB/FB>
ダミアン・プノー(ボルドー/29歳/59キャップ)
テオ・アティソベ(ポー/21歳/13キャップ)
マックス・スプリング(ラシン92/25歳/1キャップ)
マチス・フェルテ(トゥーロン/22歳/0キャップ)
アーロン・グランディディエ=ンカナン(ポー・26歳/0キャップ)
テオ・フォルネ(ペルピニャン/24歳/0キャップ)
