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フランス代表のコーナーストーン、PRアトニオが心臓疾患で現役引退へ。

2026.01.29

クラブ、代表のいずれでも強い印象を残したアトニオ。写真は2023年3月のウエールズ戦で代表初トライを決めたシーン(Photo/Getty Images)

 フランス代表の不動の右プロップであるウイニ・アトニオ(35歳)が心臓のトラブルにより入院したことが、1月28日、所属クラブのラ・ロシェルから発表された。

 クラブの声明によると、アトニオは1月27日に心臓のトラブルが疑われたため、ラ・ロシェル市内の病院に搬送された。精密検査の結果、心臓に異常が起きたことが確認され、現在は容態こそ安定しているものの、引き続き集中治療室にて経過観察中である。クラブは「退院後、ウイニは長期の療養期間に入る必要があります。それに伴い、彼が選手としてのキャリアを継続することは不可能であると判断されました」と、現役引退を余儀なくされた詳細を伝えている。

 ニュージーランド出身のアトニオは、香港で開催された10人制の大会で、当時のラ・ロシェルのHCだったパトリス・コラゾ(現ラシン92HC)に見出され、2011年にフランスへ渡った。196cm、145kgの規格外の体格から繰り出されるパワフルなプレーに加え、巨体に見合わぬ豊富な運動量と器用なハンドリングを武器に、当時2部リーグだったラ・ロシェルの主戦力となった。また、人懐っこい人柄でチームのムードメイカーとしても不可欠な存在であった。

 2014年にクラブのトップ14昇格を果たし、2022年、2023年と欧州チャンピオンズカップ連覇という歴史的快挙に貢献した。

 フランス代表としては、当時の選考資格条件であった3年の居住期間を経て、2014年秋に初招集。同年11月のフィジー戦で初キャップを得た。当初はインパクトプレイヤーとしての起用が続いたが、弱みであったスクラムを徹底的に強化。2022年からはガルチエ体制で欠かせない存在となり、同年のシックスネーションズ全勝優勝や2023年ワールドカップで重要な役割を担い、通算68キャップを積み上げた。

 昨年6月にハムストリングを負傷し、数ヶ月に及ぶ長期離脱を余儀なくさていた。その期間を利用して、ラ・ロシェルのコーチ陣にスクラム担当として加わり、指導者としてのキャリアをスタートさせると同時に指導者資格の取得にも励んでいた。

 昨年12月末に戦線復帰を果たしたアトニオは、今シーズン、ラ・ロシェルで6試合に出場していた。本来であれば、1月25日のクレルモン戦で7試合目になるはずだったが、試合前のウォーミングアップ中に胸部に痛みを感じて急遽欠場となっていた。

 試合後、ロナン・オガーラHCが「スクラムを組んだ際、『具合が良くない』と伝えてきた」と明かしていた。

 この欠場により、2月5日のアイルランド戦から始まるシックスネーションズに向けたフランス代表の準備合宿メンバー42名からアトニオは外れ、ジョルジュ=アンリ・コロンブが代役として招集されている。

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