ラグビー欧州6カ国対抗戦「シックス・ネーションズ」
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今年のシックスネーションズの開幕となるアイルランド戦(現地時間2月5日21時10分キックオフ/日本時間2月6日午前5時10分)に向けた42名の準備メンバーのリストが発表された。この選考について説明するファビアン・ガルチエHCのインタビューが、1月22日に『レキップ』に掲載された。
「今回のリストは、アイルランド戦に向けて準備を進める、ほぼ特定済みの28名のグループと、それに対峙してチームの準備をサポートする14名のグループで構成されています」とまず説明する。
1月24、25日のトップ14の試合の後、42名の選手がパリ郊外のマルクッシにある国立ラグビーセンターに集合する。準備をサポートする『トレーニングパートナー』の選手14名は、28日(水)の夜にリリースされ、クラブに戻って週末のトップ14の試合に備える。通常であれば、週明けには新たに14名が召集され再び42名で準備を再開するところだが、今年はミラノ・コルティナ冬季オリンピックの開会式との重複を避けるために試合日が木曜日に繰り上げられた結果、この週に限っては『トレーニングパートナー』は召集せず28名のままで最終調整を完結させることとなった。
今回の選考でメディアを賑わせているのは、NO8グレゴリー・アルドリット(58キャップ)、CTBガエル・フィクー(98キャップ)、WTBダミアン・プノー(59キャップ)という『不動の存在』と信じられてきた3選手が入っていないことだ。ガルチエHCは、その理由を「選考の公平性」と「新たなポテンシャルへの期待」という言葉で説明する。
「彼らは今も重要なプレーヤーです。しかし、代表選考というのは、ある特定の瞬間を切り取った写真のようなものです。選考は常に公平でなければならず、チーム内に刺激と競争を生み出さなければなりません。もちろん、選手を安心させ、寄り添い、『信頼』と呼ばれるものに近い関係を築くという心理的なアプローチも大切です。しかし同時に、2020年に私が代表にデビューさせた選手たちと同じくらい強力だと感じる、『別のポテンシャル』に対しても心を開く必要があります。今回のこの3人に対する判断も、まさにその公平さに基づいた結果なのです」
また、3人をトレーニングパートナーにも選ばなかった理由として、「彼らは我々と共に、もう7年も活動しています。そうした実績十分の選手が、我々の練習の中で『仮想アイルランド』を務めることに、一体どんなメリットがあるというのか? それよりも、リカバリーさせる方が価値があるのではないか。一方で、20歳や22歳の若者にとって、国際試合の準備を経験し、仮想アイルランドとしてプレーすることは、素晴らしい経験になると思いませんか? 私たちは、その答えを出し、決断を下したのです」
この3人がメンバーから外れたのは、今回が初めてではない。それぞれのケースについて述べたい。
アルドリットは昨年11月の南アフリカ戦でもメンバーから外れていた。代わってNO8に抜擢されたLOミカエル・ギヤールが試合で負傷したため、続くフィジー戦(34-21)とオーストラリア戦(48-33)ではアルドリットが先発に復帰した。しかもキャプテンとして。だが、今回の結果を見ると、スタッフの期待以上の存在感を示すことはできなかったということなのだろう。
2023年以降、アルドリットの低迷はよく話題に上っている。かつてフィールドのどこにでも現れる圧倒的な支配力を誇ったが、近年はその推進力に陰りが見える。ラ・ロシェルでもキャプテンを務め、多くの試合に出ている。選手層が厚くなく、彼が出場し続けなければならない状況なのだろう。今季も、代表のオーストラリア戦と重なったトップ14の第10節(11月22日)と、チャンピオンズカップで若手中心のチームが南アフリカに送りこまれたストーマーズ戦(12月13日)を除いた全15試合に出場し、プレー時間は995分。代表戦2試合を加えると、すでに1000分を超える。コロナで中断された後の2020-2021シーズンからこの状態が続いており、疲労の蓄積が懸念されている。
同インタビュー内で、ガルチエHCは、今大会でもキャプテンを務めるSHアントワンヌ・デュポンの復調ぶりを喜びながら、「皮肉なことに、今の選手たちにとって、最も回復させられる機会は『怪我』による離脱なのです。実際、11月の代表戦で最もコンディションが良いと感じたのは、FLアントニー・ジュロンとFLシャルル・オリヴォン(共に重度の膝の怪我から復帰したばかり)の2人でした」と漏らしている。
今回のアイルランド戦では、ジュロンがNO8をカバーすることになるのではと予想されている。また、ガルチエHCは、モンペリエのFL/NO8レニ・ヌシ(22歳)を「チャンスを得るべき存在」と言っている。ヌシは、2024年のアルゼンチン遠征で初キャップを得たが、その後、代表活動の期間に負傷していてチャンスが得られていない。今大会中に3キャップ目獲得もあり得るのでは。
フィクーは、昨夏のNZ戦、昨秋の南アフリカ戦でキャプテンを務めていた。その翌週のフィジー戦はスタンドから観戦し、ピエール=ルイ・バラシの脳震盪により、オーストラリア戦で再びピッチに立った。ただ、このポジションの競争は極めて激しくなっている。
ガルチエHCがCTBの「新しい才能」として名前を挙げているのが、怪我から復帰してきたヨラム・モエファナ(25歳、ボルドー)。ニコラ・ドゥポルテール(23歳、ボルドー)は秋のフィジー戦とオーストラリア戦でスタッフの信頼を勝ち取った。さらに、ワラビーズ戦で鮮烈な代表デビューを果たしたばかりのカルヴィン・グルグ(20歳、トゥールーズ)、まだ代表戦出場の機会はないが、昨季から注目を集めているファビアン・ブロ=ボワリー(20歳、ポー)だ。
プノーは昨年の南アフリカ戦で代表試合通算40トライの記録を打ち立てたばかりだが、彼のディフェンス、そしてボールを持っていない時のプレーはこれまでも指摘されてきた。昨年のシックスネーションズのイングランド戦(25-26)の終盤、エリオット・デイリーの逆転トライを許した場面で守備の不備を批判され、続くイタリア戦(73-24)で招集外となった。その後のアイルランド戦(42-27)で復帰を許された。
さらに、ハイボールキャッチのスキルが問題視されている。現代のラグビーでは空中戦を制することがとても重要になっている。しかも、キックを多用するアイルランドやイングランドとの対戦に向けて、この分野に強いテオ・アティソベ(21歳、ポー)が選ばれたのだと考えられる。
ガルチエHCはアティソベについて「非常に困難な状況下でのニュージーランド遠征で素晴らしいパフォーマンスを見せた。その後、怪我で足踏みしたが、我々がチャンスを与えた数少ない機会において、彼は非の打ち所がないプレーを見せた。彼には代表に選ばれる資格がある」と高く評価している。
レ・ブルーの将は、外れた3人に対し「彼らがまた我々の元に戻ってくると確信している」と再起を促しつつも、チームの再編は必然であると説く。
ワールドカップ2023年大会準々決勝敗退後、最初の代表活動となった2024年のシックスネージョンズでは、「共に前進しよう」と選手に伝えていた。そして2025年には「メンバーの再編があり得る」と話し、さらに2026年には「その可能性は極めて高い」と伝えてきた。
代表チームから通算キャップ数50を超える経験値を削ることが、チームにとってタダでは済まないことも十分に理解しているとしながらも、「進化と変容を受け入れることを躊躇せず、個人の経験、集団としての経験、そして新旧の競争という要素の間に、絶妙なバランスを見出す。それが、我々が前進し続けるために選んだ道なのです」。
ガルチエ風に言うならば、このリストは「今を切り取った写真」であり、選手のコンディションやパフォーマンスによって随時更新されていく。3月14日の最終節のイングランド戦までに、どのような「変容」を遂げていくのか、その進化の過程に注目したい。
フランス代表スコッド
