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レ・ブルーは歓びを取り戻せるか。フランスがフィジー戦のメンバーを発表。

2025.11.14

南アフリカ戦は途中出場だったSHマキシム・リュキュ。フィジー戦では9番で先発する(Photo/Getty Images)

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11/16(日)午前2:15「ウェールズvs日本」生中継

 今週末(日本時間11月16日午前5時10分)、ボルドーで行われるフィジー戦に向けたフランス代表のメンバーが発表された。

 ファビアン・ガルチエHCは、先週の南アフリカ戦での敗戦(17-32)を受け、先発メンバーを6人変更した。さらに、メンバー発表の約9時間後にLOエマニュエル・メアフーの欠場が発表され 、最終的なメンバーにも変更が出ている。

 左PRバティスト・エルドシオ、LOチボー・フラマン、NO8ミカエル・ギヤールが先週の南アフリカ戦での負傷により欠場となった。

 PRには先週ベンチスタートだったジャン=バティスト・グロがスターターに復帰。

 LOには、シャルル・オリヴォン(46キャップ)が約1年ぶりにフランス代表に復帰を果たす。彼のフランス代表での最後の出場は、昨年の秋のテストマッチ最終戦、2024年11月22日のアルゼンチン戦だった。2度目の膝靱帯の負傷から復帰したオリヴォンは、10月4日、所属しているトゥーロンのポー戦で戦列復帰を果たし、その後ラシン92戦、トゥールーズ戦で背番号「4」をつけて出場している。

 NO8で出場したリヨン戦では80分、ラ・ロシェル戦では75分プレーし、復調ぶりを示し、フランス代表スタッフを納得させた。オリヴォンは機動力と経験をもたらすだけではなく、ラインアウトのジャンパーのオプションにもなる。

 NO8にはグレゴリー・アルドリット(56キャップ)が復帰。南アフリカ戦ではスタンドで観戦していたアルドリットが今回はキャプテンを務める。今年のシックスネーションズでもデュポンが負傷した後、アルドリットがキャプテンを務めていた。

 南アフリカ戦では、苦しい状況下でチームをリードする強いリーダーの不在が感じられた。アルドリットとオリヴォンの復帰で、リーダーシップの不在を埋め、チームを牽引することが期待される。

 FLには、先週リザーブだったオスカー・ジェグーがスターターで起用され、ポール・ブドゥアンが控えとなる。

 メンバー発表から9時間後に、LOエマニュエル・メアフーの欠場が発表され、リザーブで予定されていたロマン・タオフィフェヌアが先発になり、初招集、初キャップのジミ・マキシマンがリザーブに入った。マキシマンは今季好調のポーで力強いパフォーマンスを見せており、9戦中9試合全てに出場、トゥールーズ戦では逆転トライを決めている。

 主力の復帰はBKにも見られる。太ももを負傷したSHノラン・ルガレックがこのツアーの最後まで欠場する中、マキシム・リュキュ(28キャップ)が司令塔として復帰。アントワンヌ・デュポンの「豪華な控え」と言われているボルドー所属のリュキュが、地元ボルドーの観客の前で最前線に立つ。

 今回のメンバー構成における大きな選択、そしてフランス代表の主力選手の復帰が相次ぐ中で注目されるのが、CTBニコラ・ドゥポルテールの先発起用だ。代表スタッフは、南アフリカ戦でキャプテンを務めたガエル・フィクー(31歳、96キャップ)をメンバーから外し、この若いセンター(22歳、5キャップ)を選んだ。フィジー戦ではピエール=ルイ・バラシとペアを組む。

 WTBダミアン・プノー、ルイ・ビエル=ビアレ、FBトマ・ラモスは不動だ。

 ベンチには、2023年8月にワールドカップ前のフィジーとのテストマッチで初キャップを獲得し、翌年のフランス・デブロップメントのウルグアイ戦に出場した右PRトマ・ラクラヤや、2020年のオータムネーションズ・シリーズで2キャップのみ経験している左PRロドリグ・ネティ、そしてこの試合が初キャップとなるHOマキシム・ラモットと経験の浅いフロントローが控える。

 SHには、バティスト・ジョノー(2キャップ)が選ばれた。CTB/WTBとカバーできるエミリアン・ガイユトンもベンチに復帰する。

 対するフィジーは、先週のイングランド戦と同じ15人の先発メンバーを起用。そのうち、FBサレシ・ラヤシ(ボルドー)、WTBセレスティノ・ラヴタウマンダ(ラシン92)、CTBチョスア・トゥイソヴァ(ラシン92)、WTBチウタ・ワイニンコロ(リヨン)、FLピタ・ガス・ソワクラ(クレルモン)の5人がトップ14でプレーしている。リザーブにはCTBシレリ・マンガラ(バイヨンヌ)もいる。

 また、先週に引き続き司令塔を務めるSOケイレブ・マンツ(プロヴァンス)はプロD2の選手で、フランスでプレーしている選手は7名になる。

 フィジー代表がフランス代表と対戦した直近の試合は、2023年ワールドカップ前で、この時は34-17でフランスが勝利した。しかし、2018年にはスタッド・ド・フランスで21-14とフィジーが勝利している。その勝利の際にメンバー入りしていたのは、今回のメンバーの中ではトゥイソヴァとFL/NO8ヴィリアメ・マタの2名だけである。

 フランスは、南アフリカ戦では、チャンスは作ったものの、プレーの単調さや、精度を欠いたパス、ハンドリングエラーで得点に結びつけることができなかった。

 ガルチエHCは「これは今季最初の試合だった。それらのミスはフィジー戦ではなくなる」と説明する。さらに「最初のモールは止めることができなかった。このメンバーで実戦でディフェンスをするのは初めてだったから。2回目も。でも3回目は止めた。実戦経験が必要なのです」とも述べている。

 フランスの今年の戦績は、シックスネーションズで4勝1敗、夏のNZ遠征は3敗、そしてこの秋すでに1敗で、トータルで4勝5敗となっている。2023年ワールドカップまでガルチエHCが繰り返し口にしていた「勝率80パーセント」からほど遠い結果である。

 フィジー戦に向けて「まるで南アフリカと再び対戦するかのように私たちは野心的に取り組んでいる。フィジーがスタッド・ド・フランスで私たちを破ったことを忘れてはならない」とレ・ブルーの将は言う。そして「自分たちのラグビーをして、歓びを取り戻す必要がある」と加えた。

 勝利の歓びを取り戻さなければならない。

フランス代表チーム フィジー戦メンバー

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