イングランド、アイルランド、スコットランド、フランス、イタリア、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカの8協会は英国時間10月7日、新リーグとして立ち上げが計画されている「R360」に参加した選手は国際テストマッチの出場資格を喪失することを通知する声明を発表した。
R360は元イングランド代表で2023年W杯優勝メンバーのマイク・ティンダル氏(46)が主導し構想する独立リーグ。世界各国の主要都市をフランチャイズとする男子8チーム(初年度は6チーム)、女子4チームが、4月から6月と8月から9月の合計5か月間をかけて世界16都市を転戦するフォーマットが計画されている。
英紙テレグラフは、英国の資金を含むアメリカのコンソーシアム(共同体)から多額の支援を受けると報じている。この資金をもとに、男女200名の世界トッププレーヤーと契約することを目指し、選手に支払われる報酬は日本円にして約1~2億円とされている。
アイルランド、スコットランド、フランス、オーストラリア協会はホームページで声明文を公開した。
「各国ラグビー協会のグループとして、我々は提案されているR360への参加を検討している選手およびサポートスタッフに対して最大限の注意を促します」
「R360は選手のウェルフェアをどのように管理するのか、選手が自国の代表としてプレーするという希望をどのように実現するのか、そしてこの大会が近年の綿密な調整の末に立てられた国内外の試合日程とどのように共存するのかを示していません」
「公に示されている通り、R360のモデルはむしろ利益を生み出して、それを極少数のエリートにのみ還元する設計に見えます。その結果として各国協会や既存リーグが地域ラグビーや選手育成、普及のためにおこなっている投資を空洞化させるおそれがあります」
そして、「したがって各国協会は、男女の選手に対しR360への参加がインターナショナルマッチへの選考資格を失わせることを勧告することになります」という一文で声明を締めている。