
第105回全国高校ラグビー大会の一番乗りを決める北海道予選決勝が9月28日におこなわれた。
今回は2年ぶりに札幌ドーム(大和プレミストドーム)での開催となった。
「北北海道」代表を決める第1試合は遠軽×中標津のカード。遠軽が昨季の王者らしく序盤から力強さを見せ、8年ぶりに決勝進出を果たした中標津を84-5で破った。3大会連続13回目の花園出場を決めた。
遠軽は試合開始からエンジン全開だった。1分、自陣からFB佐藤満輝がラインブレイクを決め、NO8吉田琉希也がノーホイッスルトライを挙げる。吉田は10分、15分にも連続トライを決め、早々にハットトリックを成した。
部員17人で奮闘する中標津にボールを渡す機会も多かったが、そのたびにスティールを決め、FL松田春大の好タックルで落球を誘うシーンも作った。
18分にはカウンターアタックを起点に中標津LO佐藤大晴主将にトライを奪われるが、コンタクト局面ではその後も攻守に前に出られた。
24分、28分のトライで前半を35-5で終えた。
後半も勢いは衰えず、2分のCTB大橋禅のトライを皮切りに7トライを加える。
22分に吉田は5トライ目を記録し、大橋、FB佐藤も2トライ目をマークした。試合終了間際にトライを挙げたSO小玉晴大は、コンバージョンキック12本すべて成功、勝利に貢献した。
第2試合は「南北海道」代表を決める、札幌山の手×立命館慶祥の一戦。準決勝で函館ラ・サールを26-24で逆転勝ちした慶祥が、3大会ぶり2回目の花園出場を決めた。山の手を33-14で破った。
剛と柔の戦いとなったこの試合。先制パンチを決めたのは「柔」の慶祥だ。
先制トライは2分。カウンターアタックから左、右、左と大きくボールを動かし、空いたスペースをWTB松橋佑朔が走り切った。
激しく攻守が入れ替わる中で迎えた13分には、相手の反則を起点にWTB浅野大樹がトライ。
その後もアグレッシブにボールを回し、19分のCTB和田弘毅の突破で19-0とした。
「剛」の山の手の反撃は21分。LO柏谷航平のスティールで敵陣ゴール前まで迫り、ラインアウトモールを押し込む。
その7分後には再びゴール前まで侵入し、FWが肉弾戦を制した(LOタレマイトガ・ウルイラケバのトライ)。
19-14と実力拮抗の好勝負だったが、後半もCTB渡邉悠生のランなどで慶祥の時間帯が続いた。
18分にはついに均衡を破る。WTB松橋が外から内にステップを切り、自陣から相手を振り切った。ゴールも決まって26-14。大きな得点だった。
23分にはNO8宮本太進のトライでだめ押し。終盤は山の手の猛攻が続いたが、これを無失点でしのぎ、33-14のスコアで歓喜の瞬間を迎えた。