関西大学Aリーグが9月14日に開幕した。
花園ラグビー場第1グラウンド、第2グラウンドを会場に、4試合がおこなわれた。
4試合のうち、第1グラウンドの2試合では昨季1位、2位の天理大、京産大がそれぞれ関西大、摂南大に順当に勝利した一方で、第2グラウンド2試合ではいずれも昨季の順位通りとはならなかった。
■関西大学Aリーグ・9月14日@花園ラグビー場・第2G(大阪)
【関西学院大 41−17 立命館大】
第2グラウンド第1試合では、昨季4位の関西学院大と5位の立命館大がぶつかった。
春季トーナメントでは立命館大が45-26で勝利しており、そのまま大会初優勝を飾っていたが、この日は関西学院大に軍配が上がった。
最終スコアは41-17。前半は10-10とイーブンだった。
先制トライは関学。FB的場天飛のカウンターアタックを起点に7点を先取する。
その後もSO新井竜之介の好キックなどで敵陣で長く過ごした。
立命WTB三浦遼太郎のスティールや自分たちのミスから追加点をなかなか奪えなかったが、34分にPGで3点を加える。
10-0とリードを広げた。
しかし、以降は立て続けに反則を重ね、40分、45分とモールを押し込まれる。同点に追いつかれてハーフタイムを迎えた。
後半の立ち上がりは、前半のそれと一転して立命に攻め込まれる時間が長かったが、キックで徐々にエリアを乗り戻し、7分には相手のラインアウトのミスを突いた。
17-10と再びリードを広げた17分には、スクラムとモールで相手のペナルティを引き出し、ゴール前のラインアウトモールでトライラインを越えた。
続く26分にはNO8小林典大のオフロードパスを受けたFB的場がラインブレイク。まもなくWTB成田陸がSO新井のキックパスをトライゾーンでキャッチした。
29-10と大勢を決め、以降も小林、的場らの活躍で優位にゲームを進めた。
関西学院大の小樋山樹監督は「春に敗れた相手に対してリベンジの機会でした。オールアウトをテーマにやってきて、それがうまく結果に結びついた」と振り返った。
■関西大学Aリーグ・9月14日@花園ラグビー場・第2G(大阪)
【同志社大 29−12 近畿大】
第2グラウンド第2試合も、第1試合同様に拮抗したゲームが展開された。
最後に抜け出したのは同志社大。29-12で近大を破り、4年ぶりの開幕戦白星を手にした。
前半はお互いに中盤でのペナルティを繰り返し、敵陣22メートルライン内での決定力勝負となった。
同志社大は先制トライこそ許すも、22分にはスクラムでの相手ペナルティからモールを押し込んで7ー5と逆転。
その4分後にはCTB立川和樹の猛タックルで相手の落球を誘い、転がったボールを森岡蒼良が敵陣深くに蹴り込む。レースに勝ったWTB上嶋友也が確保、トライラインを越えた。
すぐにモールでのトライを返されたが、昨季の上位チーム相手(3位と6位)に12-12と同点で折り返せた。
後半も互いにエラーと反則は重ねる。交互に敵陣22メートルライン内でアタックを展開するも、蒸し暑い天候も影響したか、ノックフォワードが増えた。
近大がスクラムで優位性をうまく生かせていないいない間に、同志社大が膠着状態を突破する。
30分、スワーブを切ったCTB立川がトライを挙げた。
38分にはまたもCTB立川のタックルで起きたターンオーバーを起点にしたアタックでPKを引き出す。3点を加えた。
45分にもモールでトライを加え、勝ち切った。
就任1年目の同志社大、永山宜泉監督は「身体が小さいのでフィットネスで勝とうと。その通りのスコアの取り方ができてよかった」とコメントした。
■関西大学Aリーグ・9月14日@花園ラグビー場・第1G(大阪)
【京都産業大 60−0 摂南大】
花園ラグビー場第1グラウンドは第1試合から昨季関西大学リーグ2位、全国大学選手権ベスト4の京産大が登場。
昨季7位の摂南大と対戦し、60-0と快勝した。
京産大は序盤からエンジン全開。前半5分のWTB小林修市のトライを皮切りに、開始10分で3トライを挙げた。
SO吉本大悟が飛距離のあるキックでエリアを取り、摂南大の自陣でのミスを逃さずトライに繋げた。
ボールを持てばSH髙木城治がクイックに捌いた。
23分、33分にはCTB奈須貴大が縦突破でトライに絡み、31-0で前半を折り返した。
後半は自陣深くに侵入を許すこともあったが、粘り強いディフェンスで相手のミスを誘う。
無失点に抑え、5トライを加えた。
京産大の廣瀬佳司監督は「開幕のプレッシャーやタフなコンディションの中でしたが、ディフェンスもアタックも練習してきたことを出してくれた」と称え、「まだリーグは始まったばかり、課題はたくさんある」と気を引き締めた。
■関西大学Aリーグ・9月14日@花園ラグビー場・第1G(大阪)
【天理大 62−0 関西大】
第1グラウンド第2試合は、昨季王者の天理大と8位の関西大学が対戦した。
春は関西大が天理大破ったことで注目された一線だが、天理大が62-0で勝利を収めた。
天理大は前半、17-0と先行できた。
関西大に何度も自陣深くまで入られたが、その度に粘り強く体をぶつけ、相手のノックフォワードを引き出した。
6分の先制トライはFLアリスター・サウララの好タックルを起点に素早く切り返して奪った。
共同主将のSO上ノ坊駿介がブレイク、CTB山田晟大のトライに繋げた。
中盤はキックオフの処理ミスからゴール前のピンチを二度背負うも、トライラインギリギリでノックフォワードを誘うタックルを見舞う。スクラムでのターンオーバーもあった。
30分頃にはFB堂免遙生にインターセプトを許したが、またしてもWTBフコフカ・ルカスのトライセーブタックルでスコアさせなかった。
苦しんだ前半だったが、後半はゲームを掌握できた。
3分に追加点を挙げると、ハイパントやクロスキック、グラバーキックとSO上ノ坊を中心とした足技を起点にトライを重ねた。24分までに41-0とし、大勢を決めた。
天理大の小松節夫監督は、6月に起きた不祥事を詫びた後、「スクラムで頑張ってくれて良いディフェンスができて失点を0に抑えられたことが一番の成果」と試合を振り返った。