ラグビーリパブリック

「想像以上の暑さ」。ウエールズ代表、日本代表戦前日の様子。

2025.07.04

記者会見でのウェールズ代表LOベン・カーター(筆者撮影)

 一見するとただ歩いているようにも映った。

 ラグビーのウェールズ代表は、最高気温30度超の7月4日に福岡のミクニワールドスタジアム北九州へ集まっていた。

 バックスタンドの向こうに海が見える。LOのベン・カーターは言う。

「眺めも良く、ここで試合できることを楽しみにしています」

 翌日には同じ会場で日本代表とぶつかるとあり、スタジアムの状態をチェックしていた。

 ここでチームによっては、キャプテンズランと呼ばれる連携の確認をするところ。ただし今度の通称レッドドラゴンズは、一部の選手がボールを蹴ったり、投げたりするのみだ。大きな動きはない。定められたメディアの公開時間が終わるより先に、引き上げたかのような選手もいた。

 敵地では2連戦が予定される。来日前には「ヒートチェンバー」と呼ばれる加熱環境に厚着で入り、ワットバイク、ローイングを繰り返してきた。比較的涼しい欧州にいながら、日本の蒸し暑さをイメージした。

 カーターは「こちら(福岡)でもトレーニングを重ねた。とてもいい状態で試合ができる」と補足する。

 キックオフを翌日に控えたこの折は、軽い調整に止めた。「想像以上の暑さ。ただ、それはお互いに同じ」。テストマッチ17連敗中と不振にあえいでいるが、自軍と同じく黒星のかさむ日本代表を相手に自信を取り戻したい。

「自分たちで連敗を止めるというモチベーションでここに来ています」

 本番へは空中戦のラインアウトに関し分析を進めているが、「まずは自分たちのゲームができるかに焦点を置いています」。粘り強い防御を伝統とするだけに、カーターは言う。

「ディフェンスへのプライドを持っている。テンポを持ってボールを回すのも大事だが、強いて言えばディフェンス(が重要)」

 試合は14時キックオフ。太陽光と熱波のもと、どこまで普段通りに戦えるか。

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