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【ANS】オールブラックスが苦しみながらイタリアに勝利。サム・ケイン、TJ・ペレナラに花道。

2024.11.24

声援に応えフィールドを去るオールブラックスのFLサム・ケイン(Photo: Getty Images)

■オータム・ネーションズシリーズ(ANS)
/11月23日@アリアンツ・スタジアム(トリノ)

【ニュージーランド 29-11 イタリア】

 サッカー・セリエAのユベントスFCのホームスタジアムでおこなわれた初のテストマッチで世界ランキング10位のイタリアと同3位のニュージーランドが対戦。FLサム・ケイン、SH TJ・ペレナラのラストマッチを勝利で飾りたいオールブラックスに対し、アズーリの健闘が光った。

 気温0度というコンディションもあってか、序盤は両チームともハンドリングエラーが重なり硬直した展開が続いた。最初にスコアが動いたのは前半12分、22mライン内の短い距離からSOパオロ・ガルビージがPGを沈め、イタリアが3点を先取した。

 両チームが1本ずつPGを決めた後、20分にNZのキャプテン、LOスコット・バレットのクロコダイルロールがTMOで確認され、シンビンを受ける。一人少ないNZだが、24分にSHキャム・ロイガードが密集をすり抜けて、この試合のファーストトライをマーク、SOボーデン・バレットのコンバージョンも決まりNZが逆転した。(10-6)

 その後もNZが攻めるシーンが続くが、イタリアのディフェンスが耐える。しかし前半終了間際の39分にFBウィル・ジョーダンが左中間のインゴールに飛び込んでリードを広げる。前半は17-6のNZリードでハーフタイムを迎えた。

 後半の入りはイタリアが迫る。ゴールライン前でペナルティを重ねたNZは10分にCTBアントン・レイナートブラウンがシンビンとなるが、その後の10分間も耐えて得点を与えない。

 NZは18分にTJ・ペレナラを投入。その後26分にイタリアのPRシモーネ・フェラーリがスクラムコラプシングからシンビンとなったのと同じタイミングでサム・ケインがピッチを去り、スタジアムから万雷の拍手を浴びた。

 数的有利となったNZは右サイドのゴール前スクラムから左に展開し、大外のWTBマーク・テレアに回して30分に後半初得点のトライ(G)を奪った。

 イタリアが36分にハイボールのこぼれ球からCTBトンマーゾ・メノンチェッロがトライを返した後、NZが39分にボーデン・バレットがリードを広げるトライをマークしノーサイドに。2023年W杯では96-17でNZが勝利したカードは、約1年後に29-11というスコアに終わった。

 イタリアは今季のANS3戦でジョージア戦のみ勝利し、全日程を終えた。オールブラックスはフランス戦のみ敗れ、3勝1敗という戦績を残し帰国する。オールブラックスの旅路を終えたサム・ケインは東京サントリーサンゴリアス、TJ・ペレナラはリコーブラックラムズ東京のプレーヤーとしてリーグワン2024-25シーズンを戦う。

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