ラグビーリパブリック

7日に日本代表と対戦。アメリカ代表が復権へ意気込む。

2024.09.06

記者会見に臨むグレッグ・ピーターソン(左)とスコット・ローレンスHC(撮影:向 風見也)

 オーストラリア生まれだが、生粋のアメリカ人の家庭で過ごした実感がある。

 ラグビー選手のグレッグ・ピーターソンは、出生国のワラターズ、イングランドのレスター・タイガース、スコットランドのグラスゴー・ウォーリアーズ、フランスのボルドーで転戦。その後は再びイングランドへ渡り、ニューカッスル・ファルコンズでプレーした。

 ずっと強豪国のクラブを渡り歩いてきたものの、ナショナルチーム入りの権利はイーグルスことアメリカ代表で使った。

 目下、アメリカのサンディエゴ・リージョンに在籍し、メジャーリーグラグビーに参加する33歳は言う。

「オーストラリアにいても、アメリカにルーツがあると感じていました。子どもの頃も何度もアメリカに戻っていました。自分のキャリアを考えてもアメリカ代表イーグルスに入ることを選びました。その決定でひとつのドアが閉じられても、もう一つのドアが開く。選択に満足しています」

 身長206センチ、体重125キロ。両親、姉、妹、自身の子どもも大柄なのだと笑うLOは、4年に1度のワールドカップを2回、経験した。「満足」に足る実績を残した。

 昨秋のフランス大会は予選敗退のため出られなかったが、「自分の人生のなかでも色んなことを気づかされた。暗いトンネルの向こうには光がある。そう自分に言い聞かせてきた」と話す。

 いまのイーグルスではスコット・ローレンスヘッドコーチが先頭に立ち、‘27年のオーストラリア大会、‘31年の自国大会を見据える。難しいことを成し遂げる思いを込め、「ムーンショット」というキーワードを掲げる。

 9月7日、埼玉・熊谷ラグビー場で日本代表とぶつかる。参戦中のパシフィックネーションズカップのプール2戦目に挑む。

 ピーターソンは主将として先発する。2015年のワールドカップイングランド大会などで直接対決を経験したこの人は、試合前日の会場で「過去に日本代表と対戦した時はわくわくした。明日もペースの速い、楽しい試合がしたいです」と意気込みを語った。

 指揮官は「(未来のため)若い選手の起用を念頭に置いていますが、シニア選手には若手へインスピレーションを与える役目があります」。船頭役に期待する。

 世界ランクで自国より5つ上回る14位の日本代表をどう見ていて、どう倒したいと考えるか。

 そう聞かれたローレンスは、「相手にはボールキャリーに長けた選手がいて、外からスピードがある選手が走ってくる。デンジャラス。私たちのプランは、アメリカ代表の試合をすること。敵に焦点を当てるより自分たちのゲームプランを実行すること(に集中したい)」と強調した。規律を守り、自分たちの「プライドマーク」であるパワーを活かしたい。

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