元オーストラリア代表主将で世界的フランカーのマイケル・フーパーが、10年以上に渡る輝かしい国際舞台でのキャリアの幕を閉じる。
6月30日、自身のSNSで代表引退を発表した。
32歳のフーパーは今季セブンズに転向していたが、パリオリンピックの男子セブンズ代表には選ばれなかったため、「私のオリンピックの旅は終わりを迎えた」とコメントした。
身長182センチ、体重101キロと国際レベルでは小柄だが、驚異の運動量を誇り、力強いボールキャリー、そして何よりジャッカルの名手としても知られた。
ジャッカル成功後に金髪をかき上げる姿でファンを魅了し、その活躍ぶりは似たような体躯で奮闘する日本国内の多くのプレイヤーにカテゴリー問わず目標にされた。
2012年に20歳でワラビーズデビューを飾って以来、同代表歴代4位の125試合に出場。オーストラリアの年間最優秀選手賞(ジョン・イールズ・メダル)を最多の4度受賞し、2015年と2021年には世界最優秀選手にもノミネートされた。
2021年には豪州で最速かつ最年少でテストマッチ100試合出場を達成した。
2014年に23歳でワラビーズ史上最年少のキャプテンとなり、2022年には心理状態の問題を理由に一時代表を離れたこともあったが、翌年にはワラビーズキャプテンとして最多キャップ記録(69キャップ)を更新。ジョージ・グレーガンの記録を塗り替えた。
ワールドカップは2015年から2大会出場も、2023年のフランス大会は若返りを図ったエディー・ジョーンズHC(現日本代表HC)のもとで、スコッド落ちを経験。その後セブンズに転向し、4月の香港セブンズで代表デビュー。パリ五輪出場を目指していた。
クラブシーンでは、2014年にワラダーズをスーパーラグビー優勝に導いた。2020年度(トップリーグ2021)には、コロナ禍の影響による特例で海外クラブとの短期契約が可能となり、トヨタ自動車ヴェルブリッツで1シーズンプレー。元ニュージーランド代表主将のキアラン・リードと夢の共演を果たした。
「揺るぎないサポートをしてくれた家族と友人に感謝しています。私たちは忘れられない経験、挑戦、そして思い出に満ちた素晴らしい旅を共有できました。ありがとう」とコメントを残した。