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【香港セブンズ】アイルランドに勝ち、サクラセブンズ、今季最上位の7位に。「勝ちながら自信をつけていく」(平野優芽主将)

2024.04.07

決勝トライを挙げた大谷芽生。(撮影/松本かおり)



 すべての出場国がベストコンディションで臨む香港セブンズで今季最上位の7位に食い込んだ。

 4月5日(金)から始まった大会(HSBCワールドラグビー・セブンズシリーズ)の3日目(同7日)、前日のカップトーナメント準々決勝でオーストラリアに敗れた(0-12)サクラセブンズは、アイルランドとの7位決定戦を戦った。
 結果は12-5。逆転勝ちを手にして大会を終えた。

 今季シリーズの6ラウンド目にして初めて8強に入った同チームは、初日こそミスも多く、2敗で大会に入った。
 平野優芽主将はその日のチームの空気を、「緩んでいた。それが結果に出た」と回想する。

 2日目、ウォーミングアップ時に「本気で勝ちにいく姿勢を見せよう」と声を掛け合ってからチームは変わった。
 単純なミスも減ってスペインに勝ち、プールCの3位ながら8強入りを決めた。準々決勝で敗れたものの、上昇の手応えをつかんだ。

戦いを終えたサクラセブンズ。(撮影/松本かおり)

 アイルランド戦は先行を許し、追いかける展開となった。
 前半2分過ぎ、自陣ゴール前のスクラムから攻められてトライを許す。直前のペナルティが痛かった。

 0-5とリードされるも、チームは落ち着いていた。自分たちがやるべきことを全員が理解していたからだ。
 コネクトしながら前へ出て粘り強く守り、追加点を許さなかった。

 同点に追いついたのは前半終了を告げるホーンが鳴る中でのプレーだった。
 敵陣でのスクラムから右にボールを持ち出した平野主将が得意のコースを走り、防御のスキを突いて縦に抜け出した。そのまま走り切って5-5とした。

 決勝点は後半、残り約1分のところで奪った。
 相手のペナルティで得たPKから大きくボールを動かしながら攻撃を継続した。サクラセブンズのスタイルだ。
 ディフェンスを突破したのは大谷芽生だ。好タックルを何度もしていた背番号6は、相手の乱れを突いて抜け出し、ゴールポスト下に飛び込んだ。

 3日間の大会を終えた平野主将は、今回の同プールの対戦相手の顔ぶれ(カナダ、アメリカ、スペイン)を見て、「今回勝てなければ、勝てないよ」と仲間にハッパをかけたという。
 積み上げてきた力を出し切ることが大事だった。出し切れたら戦えると思っていた。

「2日目から、一人ひとりのマインドが変わり、自分のやることにフォーカスしたら結果を出せました。この大きなスタジアムで、大勢のファンの前で初めてプレーした選手もいます。得たものは大きいと思います」

 残すはシンガポール、スペイン(マドリード)の2ラウンド。6月2日にシリーズを終えたら、7月下旬にはパリ五輪が待っている。

「勝ちながら自信をつけていくことがいまのチームには必要だと思っています」と言う主将は、「五輪だけ勝てる、なんて絶対ない」と断言した。
 プロセスを積み重ねて、パリで笑いたい。


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