今季初めてのベスト8進出にとどまらず、もうひとつ上のステージへ。
そんな気概を持って挑んだ試合だった。
しかし今季のHSBCワールドラグビー・セブンズシリーズ2024、第5ラウンドを終えたところでトップを走るオーストラリアの壁は厚かった。
4月5日(金)から始まった香港セブンズ(ワールドシリーズ第6ラウンド)の2日目(同6日)、サクラセブンズはカップ(最上位グループ)トーナメント進出を決め、準々決勝で強豪と対峙した。
結果は0-12とオーストラリアに敗れた。大会3日目(同7日)は5〜8位の順位決定戦を戦う。
前の試合(スペイン戦)で立ち上がりの悪さを修正、一度は逆転されても勝ち切った。
この試合でも序盤に粘りのディフェンスを見せた。大谷芽生が好タックル。梶木真凜も足首を刈り、全員がよく前に出た。
前半に許したトライは5分過ぎの1つだけだった。リードを許したものの、後半に期待をつなぐ試合内容だった。
前半終了間際には得意の半ズレの局面から前に出て攻め入るシーンもあった。
後半もなかなか点差は開かなかった。前半同様、全員でコミュニケーションを取り、一発で走り切られるシーンを回避したからだ。
しつこく守れば、小さな体の原わか花がジャッカル。相手の反則を誘うこともできた。
途中出場の中村知春は、「粘って粘って守ったことで、どうやったらトップ4に食い込める戦いができるのか、なんとなく見えてきたと思います」と話した。
しかし、結局最後まで得点することができず勝てなかった。
残り2分30秒にはティーガン・レヴィに自陣から走り切られて追加点を許し、0-12とファイナルスコアを刻まれた。
その2本目の失トライがスクラムからのもので、サクラセブンズのノックオンがきっかけだった。
ハンドリングミスが原因で好機に得点できず、相手にチャンスを与えてしまった。
「ミスを限りなくゼロにするような、精巧なラグビーをしないといけない」と中村は言った。
ディフェンス同様、アタックでも粘っているうちに道ができる。「10フェーズでも20フェーズでも継続していたらチャンスができる。その少ない瞬間に取り切らないと」と、自分たちが生きる道を理解する。
今季初の8強の舞台で、さらに上に進むことはできなかった。しかし、負けられないノックアウトステージで、世界トップクラスと戦い、得たものは貴重だ。
大会3日目は、7位決定戦をアイルランドと戦う。
また、今大会ではワールドラグビー・セブンズシリーズの試合以外に『メルローズシールド』も実施され、男女それぞれ、アジアの3チームずつが参加する総当たり戦が実施されている。
日本、香港、中国が参加した男子の部では、この日、日本×香港がおこなわれ、日本が33-14と勝利した。
時間の経過とともに、男子セブンズ日本代表はダイナミックにプレー。大声援を受ける相手を退けた。
大会3日目は中国と戦う。