アメリカンフットボールに挑戦するためラグビーから離れ、最高峰「NFL」のインターナショナル・プレーヤー・パスウェイ・プログラムに参加していたウェールズのスター、ルイス・リースザミット(23歳)が、スーパーボウル(NFLの優勝決定戦)を制し2連覇を達成したばかりのチャンピオンチーム、カンザスシティ・チーフスと契約を結んだことが3月29日に発表された。
NFL専門メディアなどは3年契約と報じており、保証金と契約金を含めシーズン収入は70万ポンド(約1億3300万円)を超える可能性があるという。
ラグビー界屈指のスピードスターだったリースザミットは、19歳でウェールズ代表となり、2021年には20歳の若さでブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ(英国、アイルランドの一流選手を招集し4年に一度結成されるドリームチーム)にも選出され、ワールドラグビーアワードの年間最優秀新人賞にノミネート。昨年のワールドカップではジョージア戦のハットトリックを含め5トライを挙げるなど活躍し、これからのラグビーをますます盛り上げていく最もエキサイティングな若手スターのひとりと期待された。
しかし、今年1月、アメリカンフットボールへの挑戦を表明。その競技をやっていた父の影響で、自身もNFLの大ファンだった。
NFLインターナショナル・プレーヤー・パスウェイのワークアウトに参加したリースザミットは、NFLのスカウトが注目するなか、40ヤード(約36.58メートル)ダッシュで4.44秒を記録。このタイムに本人は「がっかりした」と語っていたが、若くて運動能力が高く、練習熱心なリースザミットのパフォーマンスは、カンザスシティ・チーフスの興味を引くのに十分だった。爆発的なスピードと、激しいタックルにも負けない強さがあり、ランニングバックまたはワイドレシーバーとしてプレーすることになりそうだと専門家はみている。リースザミットはハイブリッドな役割を果たしたいと語っているが、短期的にはキックオフ・リターナーとして起用される可能性もある。
2024年シーズンのNFLは9月に開幕。まずはレギュラーシーズンの選手登録枠(ロースター:53人)に入ることを目指す。
カンザスシティ・チーフス入団発表の数日前には、世界的セレブのジェイ・Z(ラッパー・音楽プロデューサー・起業家などマルチに活躍)が設立した代理店とマネジメント契約を結んでおり、リースザミットはアメリカンドリームへ着実に近づいている。
From the United Kingdom to Chiefs Kingdom 🏴 pic.twitter.com/TtbNfBKyfn
— Kansas City Chiefs (@Chiefs) March 29, 2024