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流大がエディーHCの番組で日本代表時代を懐古「エディーさんの言うことを全うしてきた自負がある」

2024.03.15

元日本代表の流大がかつての恩師エディー・ジョーンズと対談。今だから話せる本音をお互いが語った

日本代表のSH(スクラムハーフ)として19・23年W杯で出色の活躍を見せ、代表を引退した現在も東京サントリーサンゴリアスで引き続きリーグワン屈指のトッププレイヤーとして活躍中の流大が、WOWOWの新番組「エディータイムズ」に登場。かつて流を日本代表に初めて招集し、サンゴリアスでも薫陶を受けた“恩師”エディーHCとの対談が実現した。その一部をお届けする(情報提供:WOWOW/完全版は近日公開の「エディータイムズ」で視聴可能)。

ラグビー欧州6カ国対抗戦「シックス・ネーションズ」
全15試合をWOWOWで独占生中継・ライブ配信

エディーさんには「現状維持ではダメだ」と気付かせてもらった

エディー・ジョーンズHC(以下、エディー)
「こんにちは。元気ですか?(日本語で)」

流大(以下、流)
「元気です。サンゴリアスのクラブハウスでは普通にお話しできていたのに、こういうシチュエーションだと緊張します」

エディー
「リラックスしてね(笑)」


「大学3年生の時(13年7月)、日本代表の菅平合宿に呼んでもらったのがエディーさんとの最初の出会いです」

エディー
「当時、若い大学生を合宿に招こうというに話になり、日本代表に選ばれるだろうとすでに言われていた流がそこに入りました。常にまじめに取り組んでいた一人で、可能性のある選手だと感じていました」


「エディーさんは怖い方だというイメージがあったのですが、実際に会ってみるとすごく親切に話してくれて、ワン・オン・ワン(ミーティング)の時間も設けてもらい、いろいろ話していただいたのを覚えています」

エディー
「(当時から)成功を常に意識している選手でしたから、こちらも常に気にしながら見守っていました。合宿に来た選手たちの中でも特に向上心の強い選手はよく見ていましたね」


「(W杯イヤーの)15年に入ってから最初の合宿には行かせてもらいましたが、その後は外れてしまいました。正直なところ、当時の自分のレベルでは日本代表を追い付いていない、もっと自分のレベルを上げないといけないと実感していました。そう感じられたという意味でも本当にタフな経験をさせてもらいました」

エディー
「流はサイズこそ小さいものの、その後も国際的な場面で高いレベルでプレーし続け、常に上達していました。キャプテンを務めたサンゴリアスでリーダーの資質も見せていましたし、そして何より常にチームを強くしようとしていました。『常にベストな選手になる』という流の気持ちの根源がいつも気になっていたのです」


「ありがとうございます。僕もサンゴリアスでエディーさんから新しい刺激のある話をしていただいてきたので、常に発見がありました。やはり現状維持ではダメだな、と常に気付かせていただいていました」

エディー
「流は日本のために多大なる貢献をした選手です。19年W杯は本当に素晴らしかったですし、23年大会でもハーフバックとしての才能を存分に見せてくれました。ハーフバックはチームを引っ張る存在であり、強豪チームには常に強力なリーダーがいます。流はまさにそんな存在です」


「今エディーさんが言われたことを僕自身も全うしてきた自負があります。その一方で、次世代の若い選手にもどんどん出てきてほしいという思いもあります。才能のある選手はたくさんいると思いますので、これからエディーさんがどういう選手を選んでいくのか、すごく興味を持っています。エディーさんはラグビーにおけるSHの役割についてどのようにお考えですか?」

エディー
「この15年で大きな変化がありました。ディフェンスが進化しており、さらに(チームとしての)一体化が進みました。その中で9番の選手(SH)は攻守ともに中心的役割を担っています。特に注目すべきはその選手がいかにボールを動かす能力があるか、ラック時にどのように攻撃に転じるか、という点です。一瞬の隙を完全なブレイクに切り替えられる能力ですね。実に重要な役割を担っています」


「そのような要素も踏まえつつ、今の世界一のSHは誰だと考えていますか?」

エディー
「昨年のW杯を見るとアーロン・スミス(15・19・23年W杯ニュージーランド代表。現トヨタヴェルブリッツ)ですね。現在35歳ですが、まだスピードもあってパスも正確で、チャンスを仕留めにいきます。そしてディフェンスでも他の選手との大きな違いを見せています。特にラックではディフェンスをうまくまとめていますね。流はどう?」


「もちろん僕もアーロン・スミス選手は素晴らしいトッププレイヤーと思っていますが、ここ最近ではアイルランドのジェイミソン・ギブソン=パーク選手を挙げたいです。彼がゲームに与える影響はすごく大きいですし、SO(スタンドオフ)ジョナサン・セクストン選手が現役を引退した今、彼と次なる10番(SO)の選手がどのようにして新しいアイルランドを作っていくのか、というところを楽しみにしています」

Photo:Getty Images

対談を終えて

──今回の対談、流選手にとってどのような時間でしたか?

「すごく学びのある時間でしたし、話していくことによって自分の考えも整理できました。こちらからの質問にもすぐに答えられていたので、常日頃からいろいろなこと考えていてご自分の考えを確立していらっしゃるんだろうな、とあらためて感じました」

──今回の対談による学びや刺激が今後の選手生活にもプラスに作用しそうですね。

「もちろん現役中に生かせることもたくさんありますし、それと同時に、僕はコーチングを勉強していきたいと考えていますので、指導経験が豊富なエディーさんとの対談はすごく貴重な機会になりました。サンゴリアスでも常にそういう視点で話を聞かせていただいていましたし、もちろん一プレーヤーとしても学びになり自分の成長につなげられるお話もたくさんあったので、その両面でエディーさんから学ぼうとしてきました」

──流選手を日本代表合宿に初招集したのもエディーHCでした。あらためてどんな存在ですか?

「日本代表を勝つ集団に変えたのは間違いなくエディーさんだと思っています。日本のラグビーへの貢献はすごく大きいですし、次の新しい日本代表を作っていくうえでもすごく大事な方だと思っています」

──スポーツ史上に残る歴史的勝利となった15年W杯の南アフリカvs日本をご覧になった時はどう感じましたか?

「サンゴリアスの同期とスポーツバーで見ていたのですが、心の底から感動して泣きそうになったのを覚えています。いろいろな試合を見てきましたのでもちろん感動したことは過去にもありましたが、心が震えるほど感動したことはなかったので、次のW杯(19年日本大会)には絶対に出たい、という思いがさらに強くなりました」

──その思いを叶えて19年W杯で初の決勝トーナメント進出に貢献され、23年W杯は2試合に出場。そして惜しまれつつ代表を引退されました。

「23年W杯で自分の持てるものはすべて出し切りましたし、やり切った大会でした。日本代表としては目標に届きませんでしたが、実力を出し切ったうえでの敗戦だったと思いますので、それをどのように若い世代が引き継ぎ、もっと日本が強くなるためにこれからどうしていくか、というところだと思います。これは日本代表だけではなく、日本のラグビー界全体で考えていかないといけないポイントです。エディーさんのもとで一貫して強化できるようなシステムを作っていくことが今後大事になってくると思っています」

Photo:Getty Images

──新たな日本代表がまもなく始動します。3年半後には27年W杯を迎えますが、流選手はその時、日本代表をOBとしてどのような視点でご覧になるでしょうか?

「僕自身はOBというような感覚はなくて、元日本代表ともあまり名乗りたくないんです。今後は一人のファンとして、そして日本ラグビーに携わる者として日本代表を応援したいですし、できることがあれば何でもしていきたいと思っています。もちろんサンゴリアスの若い選手がたくさん代表に選ばれてほしいと思っていますし、インターナショナルレベルになるためにどうすればいいか、ということを日頃から少しずつ話していけたらとは思っています」

──シックス・ネーションズで現在活躍中のアイルランドのSH(スクラムハーフ)ジェイミソン・ギブソン=パーク選手の名前を出されていましたね。

「SHとして全てがお手本です。スキルが高いだけでなく判断が早くて的確で、なおかつ自信を持って判断をしているからこそ周りのフィジカルの強いプレーヤーやいいランナーを生かせているんだと思います。アイルランドの完成度は非常に高いので、このまま優勝するだろうと思っています」

──他にもシックス・ネーションズで気になっているチームや選手をお教えください。

「スコットランドのSO(スタンドオフ)フィン・ラッセル選手は見ていてわくわくする選手ですね。ラグビーを楽しそうにやっていますので、いちファンとして楽しみながら見ています」

Photo:Getty Images

──一方、南半球では「スーパーラグビー パシフィック」も開催中です。開幕前の2月、日本で行われた「クロスボーダーラグビー」で流選手は東京サンゴリアスの一員としてニュージーランドの強豪ブルーズと対戦しました。

「とにかくフィジカルが強い、という印象を受けました。スピードのあるチームでもありますので、一度勢いに乗ったら止まりません。スーパーラグビーでも同じようなラグビーをすると思います。ブラウニー(トニー・ブラウン日本代表前アタックコーチ)がコーチとして加わった点も楽しみです」

──他にも注目しているチームがありましたらお願いします。

「ハイランダーズはオールブラックス(ニュージーランド代表)の選手が少ないのですが、ジェイミー(ジェイミー・ジョセフ日本代表前HC。現ハイランダーズ ヘッド・オブ・ラグビー)が戻ってどういうチームにしていくかが楽しみです。23年W杯でインパクトを残していたハリケーンズのSHキャム・ロイガード選手にも注目しています」

Photo:Getty Images

──最後に優勝予想をお願いします。

「(開幕連敗スタートの)クルセイダーズが何だかんだで優勝するのではないかと思っています。けが人や移籍で重要な選手がいなくなっていますが、ニュージーランドは若くていい選手がどんどん出てきます。クルセイダーズはウイニングカルチャーが確立されているチームなので、最終的には強さを発揮すると思っています」

Photo:Getty Images

◆◆◆[WOWOW ラグビー 放送・配信情報]◆◆◆

ラグビー欧州6カ国対抗戦「シックス・ネーションズ」
全15試合をWOWOWで独占生中継・ライブ配信&WOWOWオンデマンドで全試合アーカイブ配信中!

<最終節>
「ウェールズ vs イタリア」     3/16(土)午後11:00~[WOWOWライブ]
「アイルランド vs スコットランド」 3/17(日)午前1:30~[WOWOWプライム]
「フランス vs イングランド」    3/17(日)午前4:45~[WOWOWライブ]

「スーパーラグビー パシフィック」
[WOWOWオンデマンド]で全91試合をライブ配信&レギュラーシーズン毎節1試合を無料配信!プレーオフ決勝の放送も決定‼(※無料配信カードは毎週水曜日の午後0:00に発表、プレーオフ決勝の放送情報は後日WOWOWラグビー公式サイト、SNS等でお知らせいたします)

(左から)ジョシュ・アダムス、フィン・ラッセル、ダミアン・プノー、ジョシュ・ヴァン・ダーフリアー、マーカス・スミス、アンジェ・カプオッツォクレジット/Photo:Getty Images、アフロ

【第4節】
「クルセイダーズ vs ハリケーンズ」   3/15(金)午後3:00~
「レベルズ vs レッズ」         3/15(金)午後5:25~
「フォース vs モアナ・パシフィカ」   3/15(金)午後7:50~
「ハイランダーズ vs ブランビーズ」   3/16(土)午後0:30~
「チーフス vs フィジアン・ドゥルア」  3/16(土)午後3:00~
「ワラターズ vs ブルーズ」※無料配信  3/16(土)午後5:25~

【第5節】(※無料配信カードは毎週水曜日の午後0:00発表)
「ハリケーンズ vs レベルズ」      3/22(金)午後3:00~
「ブランビーズ vs モアナ・パシフィカ」 3/22(金)午後5:25~
「フィジアン・ドゥルア vs ワラターズ」 3/23(土)午前9:55~
「チーフス vs ハイランダーズ」     3/23(土)午後0:30~
「ブルーズ vs クルセイダーズ」     3/23(土)午後3:00~
「フォース vs レッズ」         3/23(土)午後5:25~

【第6節】(※無料配信カードは毎週水曜日の午後0:00発表)
「クルセイダーズ vs チーフス」     3/29(金)午後3:00~
「ワラターズ vs レベルズ」       3/29(金)午後5:25~
「フィジアン・ドゥルア vs フォース」  3/30(土)午前9:55~
「モアナ・パシフィカ vs ブルーズ」   3/30(土)午後0:30~
「ハイランダーズ vs ハリケーンズ」   3/30(土)午後3:00~
「レッズ vs ブランビーズ」       3/30(土)午後5:25~

「エディータイムズ 2024」
エディー・ジョーンズ、再び。「超速ラグビー」で世界のトップを目指す名将と日本代表の挑戦、さらに世界のラグビー事情についても鋭く、深く切り込む、ラグビーコンテンツ。

「エディータイムズ 2024 Vol.01」
~エディー・ジョーンズHCが語るシックス・ネーションズ~

「エディータイムズ2024 Vol.02」
~エディー・ジョーンズHCと振り返る23年W杯&スーパーラグビー展望~

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