シックスネーションズ連覇に王手をかけていたアイルランド代表を、イングランド代表が止めた。
ロンドンのトゥイッケナムスタジアムで現地時間3月9日に激突し、試合終了間際の逆転ドロップゴールで23-22と死闘を制した。
両チームともこれで3勝1敗。ボーナスポイントを重ね勝点4差でトップのアイルランドが優位であることに変わりはないが、2位に浮上したイングランドは4年ぶりの欧州制覇に望みをつないだ。
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直前の試合で2位につけていたスコットランドがイタリアに敗れたため、引き分け以上で優勝という条件だったアイルランドは、序盤にペナルティゴール(PG)で先制した。
対するイングランドは3分、FBジョージ・ファーバンクのカウンターで勢いづいてアタックを継続し、テンポよくボールをつないでCTBオリ―・ローレンスが左外を走りきり、最初のトライを挙げた。
その後、両チームともPGで加点。
しかし、イングランドは前半のテリトリーは66%でポゼッションでも上回ったが、なかなか追加点を挙げることはできなかった。
拮抗したゲーム展開のなか、アイルランドは34分にCTBバンディー・アキがブレイクダウンで奮闘して相手の反則を引き出し、SOジャック・クロウリーが約45メートルのPGを決め、逆転した。前半最後にも連続攻撃でショットチャンスをつかみ、4点リードで折り返しとなった。
後半最初の得点もアイルランドで、43分(後半3分)、ハイボールキャッチからすばやく展開してチャンスとなり、WTBジェームズ・ロウが左外を駆け上がってコーナーにフィニッシュし、5点を加えた。
一方、8-17とされたイングランドは47分、ハーフウェイ付近でのパス回しからFLサム・アンダーヒルが力走でゲインし、オフロードパスをもらったLOマロ・イトジェがクイックでFBファーバンクにつなぎ、背番号15がゴールへ走りきり4点差に詰めた。
そして、57分にはFLオリー・チェサムのラインアウトスチール後、NO8ベン・アールが躍動し大きくゲインして勢いづき、アイルランドのFLピーター・オマーニー主将が反則を犯してイエローカード、10分間の退出となってしまった。
数的有利となったイングランドは直後、敵陣深くに入ってアドバンテージを得ながら波状攻撃を仕掛け、アールがトライを決め、逆転。コンバージョンも成功で20-17とした。
しかし、グランドスラムを狙うアイルランドは踏ん張り、72分、ブレイクダウンで奮闘して相手の反則を引き出すと、SOクロウリーの好キックもあって敵陣深くに入り、アドバンテージを得て攻め込み、左にすばやく展開してWTBロウがコーナーにトライを決め、再びリードを奪った。
2点ビハインドとなったイングランドは75分、ハーフウェイ付近でペナルティを得ると、ロングキッカーのCTBエリオット・デイリーが50メートル超のPGを狙ったが、失敗。77分にはSOマーカス・スミスのブレイクスルーで敵陣22メートルライン内に入り、リサイクルでベテランSHダニー・ケアはグラバーキックを選択したが、ブロックされ得点にはつながらなかった。
それでも、イングランドは試合終了間際、WTBイマニュエル・フェイワボソが右外をブレイクして敵陣深くに入ると、アドバンテージを得て連続攻撃でゴールに迫り、マーカス・スミスがドロップゴールを決め、劇的な逆転ゲームとなった。
次週の最終節で、首位のアイルランドはホームにスコットランドを迎え、2位のイングランドは敵地でフランスと対戦する。