2月2日に開幕したラグビー欧州6カ国対抗戦「シックスネーションズ」で、イタリアに27-24、ウエールズに16-14と勝利して2連勝スタートを切ったイングランド。その中で注目されているのが、26歳のFLイーサン・ルーツだ。
ラグビー欧州6カ国対抗戦「シックス・ネーションズ」
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ニュージーランドで生まれ育ち、ノースハーバーやクルセイダーズを経由して2021年にウエールズのオスプリーズへ移籍。昨年からプレミアリーグのエクセターに所属するルーツは、イングランド人の父親を持ち、今大会でイングランド代表入りを果たした。
2020年にはマオリ・オールブラックスにも選出されているルーツは、非常に興味深いバックグランドを有している。
幼少の頃からラグビーをプレーしてきたが、肥満気味でフィットネスが課題だった。この問題を解決するため、15歳で柔術を始めたところメキメキと頭角を現し、将来的にはUFCで戦うプロの格闘家になろうと考えていた時期もあったそうだ。
そんなルーツがラグビーへ戻ってきた背景には、冗談のような本当のエピソードがある。
柔術家としてニュージーランドを代表して国際大会に出場しながら、建築現場での仕事で生計を立てていた若き頃、所属していた柔術道場の師範の娘といい仲になり、道場を追放されるという憂き目にあったのだ。
そんな数奇な経緯を経てラグビーへ戻ってきたマオリの戦士だが、過去5年間で3か国のクラブを渡り歩いてプロラグビー選手としてプレーし、今年のシックスネーションズでイングランド代表の座をつかんだ。
元格闘家だけに密集などでの肉弾戦に注目されがちだが、エネルギーあふれるランや絶妙なパスプレーなど、ただのファイターではないところにルーツの真価がある。現在26歳と若手とはいえない年齢だが、ラグビーから離れていた数年間を考えれば、まだまだ伸びしろは大きいといえるだろう。
次のワールドカップが行われる2027年までに経験を積み、イングランド代表の主力の一人になる可能性を秘めている。