ラグビーワールドカップの熱闘が終わってから3カ月が経ち、新しいインターナショナルシーズンが始まった。マルセイユ(フランス)のスタッド・ヴェロドロームで現地時間2月2日、欧州強豪6カ国が競う「シックスネーションズ」が開幕。ディフェンディングチャンピオンである世界ランキング2位のアイルランド代表が同4位のフランス代表を38-17で下し、敵地で好スタートを切った。
ラグビー欧州6カ国対抗戦「シックス・ネーションズ」
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両チームとも、昨秋のワールドカップでキャプテンを務めた大黒柱が今大会にはいない。フランスのSHアントワンヌ・デュポンは今年夏に自国のパリで開催されるオリンピックを目指してセブンズ(7人制ラグビー)に挑戦するため欠場となり、アイルランドの英雄であるジョニー・セクストンは引退した。
新しいリーダーや若い選手の輝きも注目されるなか、フランスのベテランLOポール・ヴィレムサが前半にカードを2度提示され、退場となったのが勝敗に大きく影響した。
まず前半7分に危険なプレーでイエローカードをもらうと、数的有利となったアイルランドが優勢にゲームを進め、15分、CTBバンディー・アキのブレイクからチャンスとなり、オフロードパスをもらったSHジェイミソン・ギブソンパークがゴールへ走り抜け、最初のトライゲッターとなった。
アイルランドは、29分にもテンポよくフェイズを重ねてLOタイグ・バーンが中央を抜け、ゴールに持ち込んだ。
序盤に先制のペナルティゴール(PG)を決めていた10番のジャック・クロウリーは、コンバージョンでも着実に得点を重ねた。
そして31分、フランスのLOヴィレムサがまたも危険なタックルで2度目のイエローカードを提示され、レッドとなり、退場処分となってしまった。
フランスは26分のPGに続き、39分にも反撃してWTBダミアン・プノーがトライを決め、7点差に詰めて折り返したが、苦しい展開となった。
後半も先に得点したのはアイルランドで、45分(後半5分)、PRアンドリュー・ポーターがブレイクダウンで奮闘して相手の反則を引き出し、敵陣深くに入ると、根気よくフェイズを重ねてLOジョー・マカーシーやWTBジェームズ・ロウなどの力強いボールキャリーもあって少しずつ相手のディフェンスを崩し、CTBロビー・ヘンショウが切り込んでゴールに迫り、サポートしたNO8ケイラン・ドリスが左外のWTBカルヴィン・ナッシュにつなぎ、トライが生まれた。
フランスは52分にLOポール・ガブリヤーガがゴール前のピック&ゴーでトライを挙げ、食らいついたが、アイルランドは61分に再び攻め込み、ラインアウトからモールで前進し、HOダン・シーハンが持ち出してインゴールに突っ込み、リードを拡大。結局、最後までアイルランドの優勢は続き、77分にもドライビングモールで加点し、勝負は決まった。