67のテストマッチで笛を吹いたヤコ・ペイパーがレフリー引退を表明した(1月19日)。
同レフリーは、2023年におこなわれたワールドカップ(以下、W杯)の開幕戦、フランス×ニュージーランドを担当した。
ペイパー氏は、シックスネーションズ2024のイタリア×スコットランドのレフリーを務める予定だった。
しかし、アキレス腱痛を理由に辞退。そのまま引退する道を選んだ。
南アフリカ、ブルームフォンテーン出身の43歳。67テストマッチは、歴代6番目の担当試合数だ。
南アフリカ出身のレフリーの中では、ジョナサン・カプラン、クレイグ・ジュベールに次いで3番目に多い。
最初にテストマッチを担当したのは2011年7月だった。ケニア×ジンバブエを担当した。
ワールドカップには2015年、2019年、2023年と3大会参加。14試合で笛を吹いた。
最後に担当したテストマッチは2023年10月14日にマルセイユで行われたW杯準々決勝のウエールズ×アルゼンチン。
その試合では前半15分にアキレス腱を痛め、そのタイミングでアシスタントレフリーを務めていたカール・ディクソンにレフリーを任せた。
担当したテストマッチには、シックスネーションズ10回、ザ・ラグビーチャンピオンシップ9回の他、オールブラックス×ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ1回が含まれている。
また、南アフリカ伝統のカリーカップの決勝を5回、スーパーラグビーの決勝で3回笛を吹いた実績もある。
普段は弁護士として活躍しているペイパー氏は、今回の決断を下したことについて、「ラグビーは私のDNAの一部であり、ゲームに関与できたことは光栄でした」と話している。
父がラグビーのコーチを務めていたこともあり、「私は文字通りラグビー場の隣で育ちました」。
自身もプレーヤー、コーチを経て、レフリーへ転じた。
トップレベルのレフリーを担当するようになって17年。求められるレベルの高さに、強いプレッシャーを感じた時期があったことも認めるが、「ラグビーは私にとって良いものしかなかった」と感謝の気持ちを口にする。
「(レフリーとしての日々は)素晴らしい旅でした。多くの素晴らしい友人を得ることができました。世界中の素晴らしい場所を訪れる幸運にも恵まれました」
しかし、妻、2人の娘との時間、手掛けているビジネスに、もっと時間を費やす時期と判断して引退の道を選んだ。
楕円球の世界と完全に縁を切るわけではない。
「ラグビーは私の生活の一部。この素晴らしいゲームに関与し続け、与えてもらったものに恩返ししたいと思います」としている。