南アフリカで開催されてきた「ワールドラグビー U20チャンピオンシップ 2023」は、現地時間7月14日に大会最終日を迎え、ステレンボッシュのダニー・クレイヴン スタジアムで11位・12位決定戦に臨んだU20日本代表は、U20イタリア代表に27-45で敗れて最下位となり、来季は下部大会の「ワールドラグビー U20トロフィー」に降格することが決まった。
開始早々、イタリアに先制トライを許した日本。
しかし、13分に不正なプレーをしたイタリアの選手にイエローカードが出て数的有利となると、直後、敵陣深くで攻めるチャンスを得、キャプテンのCTB大町佳生(帝京大)が中央を破ってインゴールに飛び込んだ。SO楢本幹志朗(筑波大)のコンバージョンも決まり、7-5と逆転した。
だが、17分にイタリアがPKから速攻を仕掛けてトライを奪い返し、日本は再び追う展開となる。
今大会初勝利と降格回避を目指し、LOの佐々木柚樹(大東文化大)、田島貫太郎(明治大)らが接点で奮闘、ディフェンスでも相手にプレッシャーをかけたが、日本は反則で何度かチャンスをつぶすなどなかなか波に乗れず、30分には敵陣での落球からイタリアに攻撃を許し、キックパスをダイレクトキャッチした右WTBの走りを止められず、点差は広がった。
その後、日本はスクラムでショットチャンスをつかみ点差を詰めたものの、ハーフタイム前、ラインアウトで反則を犯して再びピンチを迎え、ゴール前でのラインアウトから攻めるチャンスを得たイタリアがトライを獲りきり、日本は10-26で折り返しとなった。
後半に入ってもイタリアの勢いは止まらなかったが、日本はFB矢崎由高(早稲田大)の懸命のディフェンスなどで食らいつくと、46分(後半6分)、ラインアウトからの攻撃でNO8最上太尊(明治大)がブレイクしてゴールに攻まり、すばやくリサイクルしてWTB御池蓮二(立命館大)がインゴールに持ち込み15-26とした。
しかし、52分に失点して再び突き放され、その5分後、日本は敵陣深くに入ってスクラムから攻め、CTB大町の好走でチャンスとなったが、ロングパスがスローフォワードとなり、得点ならず。
そして、62分に危険なタックルをした日本の選手が退場となって戻ってこれなくなり、71分と73分にイタリアにトライを許し、大差がついた。
それでも、日本は最後まであきらめず、76分にはLO佐々木のキックチャージからチャンスとなってFL林慶音(同志社大)のトライにつながった。そして、79分にもドライビングモールで5点を追加したが、反撃はそこまで。
U20日本代表は5戦全敗で大会を終えた。
キャプテンの大町は試合後、「自分たちのタックルには誇りを持っているが、イタリアの速いアタックやフィジカルのところで少しずつ受けてしまい、こういう結果になった。すごく残念に思う」と述べ、悔しさをかみしめていた。
インタビュアーに、80分間最後まであきらめず戦った姿勢について訊かれると、「自分たちは体が小さくて、フィジカルのところで負けることはあるが、1対1で勝てなかったら2対1、3対1と人数をかけ、ハードワークの部分では絶対負けないようにしている。そこはしっかりプライドを持って走り続けようとチームで心掛けている。日本のラグビーとして、その部分は絶対に外してはいけないと思う」とコメントした。
この経験と悔しさを、成長の糧としたい。