ラグビーの20歳以下(U20)世代の最高峰大会、「ワールドラグビー U20チャンピオンシップ 2023」が6月24日から始まる。南アフリカの西ケープ州に12カ国のU20代表チームが集まり、7月14日(現地時間)まで熱戦が繰り広げられる。
ラグビーのU20世界大会は、2020~2022年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止となったため、4年ぶりの開催となる。U20日本代表は2019年に下部大会の「ワールドラグビー U20トロフィー」で優勝して昇格となり、出場権を獲得していた。
日本は過去、U20チャンピオンシップでの最高位は2015年の10位で、それ以上の成績が期待される。しかしながら、各国の有望選手たちが集うこの大会は厳しい戦いの連続で、最下位になったチームは来季U20トロフィーに降格となる。
大会はまず、4チームずつ3つのプール(組)に分かれてそれぞれ総当たり戦をおこない、プール戦の成績に応じて順位決定戦へと進む。
日本は今回、フランス、ウェールズ、ニュージーランドと一緒のプールAに入った。
<ワールドラグビー U20チャンピオンシップ 2023>
■Pool A: フランス、ウェールズ、ニュージーランド、日本
■Pool B: オーストラリア、イングランド、アイルランド、フィジー
■Pool C: 南アフリカ、アルゼンチン、イタリア、ジョージア
フランスは前回大会(2019年)のチャンピオンで、大会3連覇を狙っている。
注目選手は、身長192センチ、体重は145キロあると言われるロックのポソロ・トゥイランギ。元サモア代表NO8ヘンリー・トゥイランギの息子である18歳は、ペルピニャンのプロ選手としてすでにトップ14(フランス国内最高峰リーグ)でもプレーしており、将来のスター候補だ。フランスはほかにも有望な若手が多い。
ウェールズは今年のU20シックスネーションズ(欧州6カ国対抗戦)で5戦全敗の最下位だったが、ワールドU20チャンピオンシップにおいてはトップ4入りを3度果たしている伝統国であり、楽な相手ではない。
指揮官が替わって暫定ヘッドコーチとなったマーク・ジョーンズは、「特にバックラインとバックローにはエキサイティングな選手がたくさんいる。フロントファイブもポテンシャルは高い」とコメントしている。
ニュージーランドは前回大会でチーム史上ワーストの7位だったが、最多6度の優勝を誇る強豪だ。
キャプテンは、クルセイダーズのSHとして今年スーパーラグビー・パシフィックの舞台にも立ったノア・ホザム。同じくクルセイダーズでデビューを果たしたSOのタハ・ケマラが10番候補で、ケマラとともに副将を務めるFL/NO8ピーター・ラカイはウェリントンの22年ぶりの国内選手権優勝に貢献し、ハリケーンズの新星としても活躍した。
そして、日本のU20代表選手の多くは、5月はジュニア・ジャパンとしてパシフィック・チャレンジで経験を積み、同月27日には東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれた強化試合でNZU(ニュージーランド学生代表)に52-46と競り勝ち、自信をつけた。
キャプテンを務めるのはSO/CTB大町佳生(帝京大学2年)。国際統括団体のワールドラグビーは公式サイトで、注目選手としてFB/WTB矢崎由高(早稲田大学1年)を挙げている。桐蔭学園高校時代から将来を嘱望された逸材で、NZU戦でも鮮やかな走りを披露していた19歳の矢崎は、大会初日のフランス戦で11番をつける予定だ。
ディフェンディングチャンピオンに挑むU20日本代表のメンバーは以下のとおり。
<第1戦(vs フランス) U20日本代表試合登録メンバー>
1.西野帆平(明治大) 2.大本峻士(立命館大) 3.富田陸(明治大) 4.佐々木柚樹(大東文化大) 5.ハリー・ウィラード(英・ダラム大) 6.宮下晃毅(法政大) 7.林慶音(同志社大) 8.小林典大(関西学院大) 9.土永旭(京都産業大) 10.楢本幹志朗(筑波大) 11.矢崎由高(早稲田大) 12.大町佳生(主将/帝京大) 13.野中健吾(早稲田大) 14.御池蓮二(立命館大) 15.武藤航生(関西学院大)
〔リザーブ〕
16.黄世邏(関西学院大) 17.弓部智希(近畿大) 18.杉浦皓亮(東海大) 19.能勢涼太郎(近畿大) 20.楠田知己(明治大) 21.高橋佑太朗(筑波大) 22.生田弦己(帝京大) 23.今野椋平(慶應義塾大)