2月4日に開幕した「ラグビー欧州6カ国対抗戦 シックス・ネーションズ」(WOWOWにて全試合放送中)は、残すは現地時間3月18日(土)の最終節3試合のみとなった。今大会唯一の全勝で首位をひた走るアイルランド(勝ち点19)の最終節の相手は4位のイングランド。引き分けでも優勝が決まるが、チームが目指すのはもちろん5戦全勝での戴冠だ。
そのアイルランドには敗れたものの、2位につけているフランス(勝ち点15)にも優勝の可能性が残されており、最終節は5位ウェールズと対戦する。前回王者の意地にも注目だ。
そこで今回は、大会を放送するWOWOWで第4節「スコットランドvsアイルランド」の解説を務めた元スコットランド代表主将のグレイグ・レイドロー選手と元日本代表の真壁伸弥氏に、優勝に王手をかけたアイルランドを中心に最終節の見どころを聞いた。
W杯イヤー幕開け「ラグビー欧州6カ国対抗戦 シックス・ネーションズ」
WOWOWで全15試合を放送・ライブ配信中!アーカイブ配信も
──まずは「スコットランドvsアイルランド」の解説を終えた今の率直な感想をお願いします。
レイドロー タフなテストマッチでした。アイルランドはとても強いチームで、スコットランドとしては現在のナンバーワンチームが相手でしたから、このような結果になるのは必然ではありました。スコットランドもチャンスを作りましたが、前半のうちにもういくつかチャンスを作り出す必要があったと思います(前半はスコットランド7-8アイルランド)。そうすればスコアの上で相手にプレッシャーをかけることができたでしょう。アイルランドは大いに称賛されるべきチームです。ゲームマネジメントはもちろん選手たちのプレー、特にフランカーのジョシュ・ファン・デル・フリールのプレーが素晴らしかったですね。最高の仕事をしてアイルランドの勝利に貢献しました。
真壁 ゲーム理解度はやはりアイルランドの方が優れていました。前半はスコットランドも質が高く十分通用していたと思いますが、アタックしていても勢いを止められてしまい、しっかりとドライブできていないのが気がかりでした。バックスによるいいトライはあったもののフォワードがゲインを切れていなかったので、「自分たちは何が通用していて何が通用していないのか」ということを見極め、話し合い、後半に活かす必要がありました。その点でもアイルランドの方が優勢だったと思います。アイルランドの方が肩を組んで話し合う機会が多く、まとまっていた印象があります。
──敗れたスコットランドは最終節でイタリアと対戦し、勝って3位を目指すことになります。
レイドロー そうですね。おそらく3位に入れると思います。スコットランドはイタリアに勝ちたいと思っているでしょうし、強気で大会を終えることが大事です。シックス・ネーションズで3位は良い結果です。なぜなら、現在世界ランキング1位のアイルランド、2位のフランスに勝つのは非常に難しいからです。ですからスコットランドは良いポジションにつけていると言えます。
──まだ最終節が残っていますが、今大会を振り返っての印象、総括をお願いします。
レイドロー どのチームも大会に対してポジティブな姿勢で臨んでいると感じました。最下位のイタリアは今大会1勝もしていませんが、試合内容は良かったと思います。より多くのトライが決まり、たくさん点が入る試合は素晴らしいと思いますし、ショーとしても見ていて楽しいものでした。私も励みになりましたし、実にエキサイティングな大会でしたね。
真壁 やはりシックス・ネーションズはフィジカルが一番重要だということがわかる大会でした。世界的にゲーム展開が速くなっている中でもスクラムやラインアウトの精度はもちろん上げていかないといけません。フィジカル、ブレイクダウンでいかに前に出られるか、というラグビーの基本的な部分がしっかりできているチームが実際に勝利を収めていますよね。その傾向が如実に表れていたと思います。
──どのチームが優勝すると予想していますか?
レイドロー 確証はありませんが、優勝までもう少しのところまで来ているアイルランドがチャンピオンとなるでしょう。彼らはホームの観客の前でプレーすることになりますし、現地はものすごい雰囲気になると思います。彼らは、今大きなプレッシャーがかかっているイングランドと強気で戦うことになるでしょうね。アイルランドにも負傷者が出ていますので彼らもプレッシャーを感じていると思いますが、それでも十分に勝ち目はあると思います。2位のフランスも強気で戦って、ウェールズに勝つでしょう。
真壁 私も同じくアイルランドが優勝すると予想しています。対戦するイングランドはヘッドコーチが(エディー・ジョーンズからスティーブ・ボーズウィックに)変わってからも、持ち前の圧の強さを活用できていないと感じていますので、このままいけばアイルランドがいいゲームをしてチャンピオンになるのではないかと思っています。
──今年のW杯をもって現役を引退すると表明しているアイルランドの偉大な司令塔、スタンドオフのジョナサン・セクストン主将にとっては、そのイングランド戦がシックス・ネーションズのラストマッチとなります。
レイドロー ジョニー(セクストン)は素晴らしい選手です。この試合(スコットランドvsアイルランド)でもそれがよくわかったと思います。彼はチームの支柱であり、チームを前進させるワールドクラスの選手です。彼の仕事に取り組む姿勢、リーダーシップは素晴らしく、ずっと努力を重ねて来て今に至っている特別な存在ですね。
──そんなセクストン主将の活躍も期待される最終節の見どころを最後にお願いします。
レイドロー 3試合とも大一番です。優勝に向けて競り合っているチーム(アイルランドとフランス)の最終戦があり、特にアイルランドvsイングランドは素晴らしい試合になるはずですし、観客も大いに盛り上がる選りすぐりの試合となるでしょう。アイルランドのパッションを込めたプレー、激しいぶつかり合いをぜひ見ていただきたいです。
真壁 最終節の見どころはやはり国のプライドですね。特にヨーロッパの国々はどこも自分たちが一番だと思っているはずですので、各国のプライドを懸けた最終節の戦いを今から楽しみにしています。
【番組情報】
「ラグビー欧州6カ国対抗戦 シックス・ネーションズ」 全15試合を放送・ライブ配信!
※WOWOWオンデマンドで全試合アーカイブ配信あり
<最終節の対戦カードと放送・配信予定>
「スコットランドvsイタリア」
3/18(土)午後9:15 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]
「フランスvsウェールズ」
3/18(土)午後11:30 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]
「アイルランドvsイングランド」
3/19(日)午前1:45 [WOWOWプライム][WOWOWオンデマンド]
「スーパーラグビー パシフィック」も全91試合をライブ配信&毎節2試合を放送中!
■最新の放送・配信予定などはこちらから
【WOWOWラグビー公式サイト】
【WOWOWラグビー公式ツイッター】