ラグビーワールドカップイヤーの欧州6か国対抗戦“シックスネーションズ”で首位に立つアイルランド代表が、敵地エディンバラのマレーフィールドで現地時間3月12日におこなわれた第4節で、スコットランド代表を22-7で下し、5年ぶりのグランドスラム(全勝優勝)に王手をかけた。
W杯イヤー幕開け「ラグビー欧州6カ国対抗戦 シックス・ネーションズ」
WOWOWで全15試合を放送・ライブ配信中!アーカイブ配信も
アイルランドは前半5分、敵陣深くで相手がクイックスローしたラインアウトボールをスチールし、攻め込んでトライを挙げたかに思われたが、アシスタントレフリーから新しいボールだったことがレフリーに報告され、タッチに出たボールとは異なるボールが使われた場合はクイックスローは認められず、トライとはならなかった。
それでも、アイルランドは相手にプレッシャーをかけ続け、前半12分にペナルティゴールで先制した。
一方、フィジカリティでハードなディフェンスを繰り返すアイルランドに対し、スコットランドは16分にゴール前でフェイズを重ね、CTBヒュー・ジョーンズが抜けてインゴールに飛び込み、最初のトライを決めた。
スコットランドは、第1節でイングランドに競り勝ち、第2節ではウェールズに快勝していたため、アイルランドも倒せば“ホームネーションズ”戦全勝でトリプルクラウン獲得となり、1999年以来の欧州制覇にも望みをつなぐため、ファンは沸いた。
しかし、4点ビハインドとなったアイルランドは27分、タテへの突進が強いランナーを使って敵陣深くに入っていき、相手のディフェンスが中央に寄ったところ、FBヒューゴ・キーナンが長いパスを右外に放り、捕球したWTBマック・ハンセンが駆け上がってディフェンダーに押し出される寸前にインゴール右隅にボールを押さえ、逆転トライが認められた。
スコットランドは31分にWTBドゥハン・ファンデルメルヴァが抜けてゴールに迫ったが、アイルランドはFBキーナンが止め、FLジョシュ・ヴァンダーフリヤーとWTBジェームズ・ロウがブレイクダウンでからんで相手の反則を引き出し、流れを変えさせなかった。
両チームの激しい攻防は続き、アイルランドはハーフタイム前にも粘り強いディフェンスで踏ん張り、8-7で折り返した。
後半に入ってしばらく膠着状態が続いていたが、アイルランドは53分(後半13分)にSH交替でジェイミソン・ギブソンパークの投入が当たる。グリーンジャージーの21番をつけたギブソンパークはフィールド内に入って3分後、ボックスキックで相手にプレッシャーをかけ、そのハイボールをWTBハンセンがキャッチしてSOジョニー・セクストンにつなぎ、ゴールに迫ってアドバンテージを得、何度が近場を突いたあと、左にスペースを見つけたSHギブソンパークがパスを通し、WTBロウがトライを決めた。
そして、アイルランドは61分にも敵陣深くに入ってフェイズを重ね、WTBハンセンがディフェンダーを引きつけ、右外にいたNO8ジャック・コナンがパワフルに突進して連続トライとなり、勝利を引き寄せた。
残りは1節で、4勝0敗(勝点19)のアイルランドと、3勝1敗(勝点15)のフランスに優勝の可能性がある。
両チームともホームで最終戦を迎え、昨年の王者であるフランスはウェールズと、グランドスラムを狙うアイルランドはイングランドと対戦する。