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CTBにダンティー復帰。イングランド戦のフランス代表は23人中10人がトゥールーズ所属

2023.03.11

力強いランが持ち味のCTBジョナタン・ダンティー。写真は昨年のシックスネーションズより。(Getty Images)



 シックスネーションズ2023の第4節、イングランドと対戦するフランスのメンバーが発表された。

 年末に膝の靱帯を痛め、先の3試合に出場できなかったCTBジョナタン・ダンティーがスタメンで復帰する。
 ダンティーは前節のスコットランド戦の前から代表合宿に参加しながら、週末は所属クラブのラ・ロシェルの試合で少しずつプレー時間を増やしてきた。先週のポー戦で80分プレーし、テストマッチレベルでもプレーできると確信したようだ。

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 メンバー発表の会見前、ファビアン・ガルチエ ヘッドコーチ(以下、HC)は「会見できっと君のことを質問される。なんと言えばいい?」とダンティーに聞いた。
「『燃えている!』と言ってください」と答えたという。

 チームは、中盤でボールを持って前に出て突破口を開いてくれる選手を欲していた。
 またCTBでペアを組むガエル・フィクーとは、かつて所属していたスタッド・フランセでも一緒にプレーしていたこともあり、息も合っている。

「プレースタイルでも補完し合うペアだ」とガルチエHCは言う。

 前節まで12番で出場していたヨラム・モエファナはCTBとWTBをカバーするフィニッシャーとしてベンチで待機する。

 HOペアト・モヴァカの復帰も心強い。
 SHマキシム・リュキュも怪我から復帰してきた。今回はアントワンヌ・デュポンを交代させることができるだろうか。
 チームでは、デュポンとLOチボー・フラマンがここまでの全3試合で80分プレーしている。

 水曜日の練習でSOマチュー・ジャリベールが足首を痛め、戦列を離脱した。ジャリベールの代わりに、FBメルヴィン・ジャミネがベンチに入る。

「マチュー(ジャリベール)はケガをしていなければSOとFBをカバーするフィニッシャーでメンバーに入っていた。幸い、このチームにはどちらのポジションもプレーできるトマ・ラモスがいる。メルヴィンは、彼の持てる力を全てチームのために発揮してくれる」とガルチエHCは選考理由を説明した。

 スコットランド戦で膝を負傷して途中退場したFLアントニー・ジュロンは、膝前十字靭帯断裂と診断され、復帰までに少なくとも6か月はかかるのでは言われている。
 ワールドカップに間に合う可能性は高くはないが、少しの可能性に賭けるためにすでに手術を受け、復帰に向けて時間との闘いを始めている。

 イングランド戦では、膝の負傷から復帰したばかりのフランソワ・クロスがジュロンに代わって先発メンバーに入る。

 前節の危険なプレーでレッドカードを受けて退場になり、4週間出場停止になったPRモアメド・アウアスに代わり、今大会では合宿にも召集されていなかったドリアン・アルデゲリが選ばれた。

「すでに代表経験もあり、ここ数年、フランスラグビーを支配しているトゥールーズでナンバーワンの右PRで、ほぼ全試合に出ている。今季開幕からのドリアン(アルデゲリ)のプレーのレベルは間違いなくチームに力を与えてくれる。また左PRシリル・バイユ、HOジュリアン・マルシャンとは子どもの頃からトゥールーズで一緒にプレーし、共に成長してきた。彼らの間には強い繋がりがある」と、ガルチエHCは集団的経験値にこだわる。

 イングランドの左PRエリス・ゲンジとスクラムを組み合うことを考えると、昨夏の日本戦以来、18番で全試合に出場しているシピリ・ファラテアより、経験のあるアルデゲリの方が好まれたのだろう。

 これでフロントローは100%トゥールーズになった。
 メンバー23人中10人がトゥールーズの選手で、その内7人がトゥールーズの育成コース出身だ。イングランドのFLジャック・ウィリスを含めると、キックオフの時点でグラウンドに立っている30人中9人がトゥールーズの選手になる。

 フランスはガルチエ体制になってから、アイルランドのアビバ・スタジアム、スコットランドのマレーフィールド、ウエールズのプリンシパリティー・スタジアム、イタリアのスタディオ・オリンピコで勝利を挙げてきたが、トゥイッケナムだけではまだ勝利を挙げることができていない。

 フランスが最後にトゥイッケナムで勝利したのは、2007年のワールドカップ前の準備試合まで遡る。シックスネーションズだと、さらに2005年まで遡らなければならない。
 それぐらい「勝つことが難しい場所なのだ」とガルチエHCは言う。

「アイルランド戦で多くのことを学んだ。今週末のトゥイッケナムも、シックスネーションズ2023の試合であり、このチームが学ぶための大きなテストになる。ポジティブなこともあれば、ネガティブなこともあるだろう。それらはすべて我々がプロジェクトの中で前進し成長していくための材料となる」

 一方、イングランドはキャプテンのオーウェン・ファレルをベンチに下げ、若きSOマーカス・スミスにチームの指揮を委ねた。
 フランスチームのディフェンスコーチであるショーン・エドワーズが英国メディアに「ファレルに合わせて準備をしてきたから修正しなければ」と言っていた。

 果たしてどんなテストになるのだろうか。

【イングランド×フランス】
3月11日(土)
17時45分キックオフ(日本時間3月12日1時45分)
◆イングランド戦メンバー↓

フランス協会のTwitterより
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