いよいよ今年のシックスネーションズが開幕する。
フランス代表チームの初戦(2月5日 16時キックオフ)、イタリアに挑むメンバー発表が行われた。
スターティングの第一列には、昨年のシックスネーションズ優勝メンバーのシリル・バイユ、ジュリアン・マルシャン、ウイニ・アトニオが揃う。
常にフィニッシャーとして控えていたPRジャン=バティスト・グロ、HOペアト・モヴァカ、さらに3番手のピエール・ブルガリットは、今回は負傷欠場する。
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左PRの控えには昨秋の日本戦に先発出場していたレダ・ワーディーが入った。
HOには4番手とされているガエタン・バルロー、右PRには昨夏、そして昨秋の日本戦に後半出場したシピリ・ファラテアが抜擢された。
負傷から復帰したポール・ヴィレムセと第2列で組むのは、毎試合評価を上げているチボー・フラマンだ。2021年7月のオーストラリア戦からスタメンで連戦してきたカメロン・ウォキは、1月15日のチャンピオンズカップのハーレクインズ戦で負傷し、復帰は3月中旬と伝えられている。
3列には昨秋同様、アントニー・ジュロン、シャルル・オリヴォン、グレゴリー・アルドリットが揃う。HBはもはや不動のアントワンヌ・デュポン、ロマン・ンタマックと安定の顔ぶれだ。
CTBジョナタン・ダンティーの負傷に伴い、昨秋はWTBにスライドしていたヨラム・モエファナが本来のポキションに戻りガエル・フィクーとコンビを組む。
FBには負傷から復帰したメルヴィン・ジャミネよりも、11月の3連戦でチャンスを掴んだトマ・ラモスが選ばれた。
最も注目されているのは、WTBだ。ダミアン・プノーとコンビを組むのはエタン・デュモルティエ(22歳)となった。
前回のシックスネーションズで活躍したギャバン・ヴィリエールは、2度の左足首の負傷を乗り越え、1月28日に所属クラブのトゥーロンでの試合で復帰した。そのときは62分プレー。翌日から代表合宿に招集された。
最初のインテンシティーを上げたゲーム形式の練習では、試合でスターティングメンバーがつけるビブスを着用し、背中には11番をつけていた。
『赤いヘッキャ』が復活と思われたその矢先だった。ヴィリエールは再び同じ足首を負傷。新たに腓骨骨折と診断された。ヴィリエールが代表合宿に合流する前週に11番をつけていたデュモルティエがチャンスを得ることになった。
デュモルティエはリヨンに所属し、2019年U20世界大会で優勝したメンバーのひとりだ。2019年にチャンピオンズカップのトレヴィゾ(イタリア)戦でプロチームデビュー。少しずつ頭角を表し、今季はこれまでトップ14で12試合出場し8トライ。現時点のトライ王だ。さらにチャンピオンズカップでも3試合出場で3トライを決めている。
小さなスペースでもアグレッシブに、そしてパワフルにディフェンスをこじ開ける。身長192センチでハイボールにも強い。「代表チームで彼を見てみたい」という期待の声が多く聞かれていた。
「2年前にU20のチームに練習パートナーとして参加してもらった時から注目していた選手。リヨンと7人制代表を行き来しながら活躍していた。サポートしてポテンシャルを開花させたい」とファビアン・ガルチエ ヘッドコーチ(以下、HC)は会見で述べた。
LOのフィニッシャーには昨夏の日本戦に出場したトマ・ラヴォーが選ばれた。SHはノラン・ルガレック(20歳)が初キャップを得ることになる。
ルガレックはラシン92のプロチームでデビューしたのが2年前。昨季から試合を重ね、背番号「9」に定着した。昨夏、ガルチエHCが率いたバーバリアンズのイングランド戦に出場。その後のフランス代表の日本戦には出場機会はなかったが、チームとともに来日して練習に参加していた。
「20歳とまだ若いが、彼には成熟しているものを感じる。2020年のヨラム・モエファナがそうであったように、選手が準備できているのであれば待つ必要はない。マキシム・リュキュは負傷、バティスト・クイユーは合宿の2週目に負傷から復帰して合流したが、現時点ではノラン・ルガレックがアントワンヌ・デュポンに並んで試合メンバーに入るのに最も相応しいと判断した」とガルチエHCが選考理由を説明した。
大会キックオフ記者会見で、「タイトルを守るのか、それとも獲得しに行くのか?」という記者からの質問に対して、「いい質問だ。チームで話し合うことにする」とガルチエHCは答え、続けた。
「スタッフ、選手で話し合った。この大会にどういう意義を与えたいのか。このチームを立ち上げた時から我々の目的は、フランスのベストな選手を集め、ひとつにし、ともに分かち合うことだった。我々は何をするためにこの大会に新たに参加するのか? チームの答えはひとつ。『続けるため』だ」
「(自身がHCに就任した後の)最初のシックスネーションズは(イングランドと)勝ち点は同点で1位だったが、(得失点差で)2位になった。2回目は2位、そして昨年は全勝優勝した。まだ道は終わりではない。成長を続けてさらにいいチームになる。このチームは、年齢でも、キャップ数でも、また国際レベルの経験においても成熟という地点には達していない」と昨夜の記者会見で述べた。
「どんなシナリオになるのかわからないが、何もなりゆきに任すことなく、カオスな状況にも備えながら、このイタリア戦の準備をおこなった。ローマのスタディオ・オリンピコには荘厳な雰囲気がある。イタリアチームは『レコンキスタ』(再制服)モードだ。この週末、素晴らしいチャレンジが我々を待っている」
2023年、シックスネーションズが開幕する。
◆フランス代表 イタリア戦メンバー(フランス協会Twitteerより)