周囲にはラグビー王国ニュージーランドのエリートがずらり。プレーヤーにとって、これほど刺激に満ちた環境もないだろう。
この先につながっているのは、あのスーパーラグビーの舞台だ。
オークランドの強豪校、セントピーターズカレッジで高校1年生にしてファーストグレードの正SOの座をつかみ、聖地イーデンパークで行われたオークランド地区の決勝にも出場した岸本類のニュースを、8月末にお伝えした。
その晴れ舞台で先制トライを挙げるなど存在感を放った16歳が、またひとつトッププレーヤーへの階段を上った。オークランドを本拠とするスーパーラグビークラブ、ブルーズのU17チームに選出されたのだ。
フランチャイズの各地区からピックアップされた選抜メンバーとともに、11月末のトレーニングキャンプに参加した岸本。キャンプはブルーズの施設を利用して行われ、チームの未来を担う次世代のホープのひとりとして、今後ラグビー選手として求められる取り組みを学ぶ貴重な機会となった。なおブルーズにとっても今回のU17チームの活動はコロナ禍による中断を経て3年ぶりの実施とあって、合宿開催を喜ぶ記事がチームの公式Facebookに掲載された。
岸本は今週末の12月3、4日に行われるセブンズの全国高校大会にも出場する予定。セントピーターズは前回大会でベスト8の成績を残しており、今季はその上のステージを目指すこととなる。
ステップアップを重ねていった先に見据えるのは、母国のサクラのエンブレムか、それとも黒衣のジャージーか。たくましく成長を続ける姿に、夢はふくらむ。ラグビー王国のハイスクールシーンで奮闘する日本人高校生のさらなる飛躍を期待したい。