ラグビーワールドカップ2019の決勝で戦い、来年の大舞台でも優勝争いに加わることが予想される南アフリカ代表とイングランド代表がロンドンのトゥイッケナム・スタジアムで現地時間11月26日に激突し、27-13でディフェンディングチャンピオンの南アフリカが制した。
南アフリカがトゥイッケナムでイングランドに勝ったのは8年ぶり。
前半、イングランドは優秀なゴールキッカーである主将のCTBオーウェン・ファレルがポストほぼ正面のペナルティゴール(PG)を2本外すなど、なかなか波に乗れなかったのに対し、南アフリカは30分にSOダミアン・ヴィレムサのドロップゴール(DG)でリードを奪い、32分にはヴィレムサのカウンターからボールをつないで快足WTBカートリー・アレンザがトライを決めた。
14-3で折り返した南アフリカは、後半早々にもヴィレムサのDG成功で流れをよくすると、相手にイエローカードが出て数的有利だった49分(後半9分)にはLOエベン・エツベスがゴール前の密集からトライを奪い、点差を広げた。
59分に危険なタックルをしたPRトーマス・デュトイがレッドカードで一発退場となり、戦力的に苦しくなった南アフリカだが、14人で粘り強くディフェンスし、エツベスのラインアウトスチールやHOマルコム・マークスのブレイクダウンの奮闘などもあって何度もピンチを脱出。
イングランドは71分にPKからの速攻でトライを奪い返したが、南アフリカが逃げ切った。
オータムネーションズシリーズ最終日だったこの日は、カーディフのプリンシパリティ・スタジアムでも試合がおこなわれ、オーストラリア代表が39-34でウェールズ代表に逆転勝ちした。
今年9敗を喫していたオーストラリアは、シーズンラストゲームも苦しい展開となった。36分と44分(後半4分)にイエローカードを出されて13人になり、ホームチームのウェールズを勢いづかせ、52分までに13-34と21点差をつけられてしまった。
しかし、オーストラリアAとして来日し、10月のJAPAN XV戦のパフォーマンスが認められて2週間前に代表デビューしたばかりのWTBマーク・ナワンガニタワセが流れを変えた。57分に1対1の場面でディフェンダーを振り切って5点を奪い返すと、67分にはラインアウトからのサインプレーが決まってナワンガニタワセが抜け、連続トライとなった。
勢いに乗ったオーストラリアはさらに72分、ドライビングモールでペナルティトライを獲得。65分にシンビンを食らっていたウェールズに2枚目のイエローカードが提示され、数的有利が続いたオーストラリアは77分、またもナワンガニタワセの好走もあってチャンスとなり、HOラクラン・ロナーガンが右外を抜けてインゴールに持ち込み、逆転した。
粘るウェールズは土壇場でラストアタックのチャンスをつかみ、ゴールに迫ったが、オーストラリアの16番をつけたロナーガンがブレイクダウンでボールを奪い返し、外に蹴り出して試合終了となった。