ラグビーリパブリック

日本のW杯ライバルが前哨戦 アルゼンチンが敵地でイングランドを下す

2022.11.07

トゥイッケナムでイングランド代表を倒し歓喜のアルゼンチン代表(Photo: Getty Images)


 開幕まであと10か月となったラグビーワールドカップ2023(男子大会)で日本代表と一緒のプールDに入り、トップ8入りへのライバルとなるイングランド代表(現 世界ランキング5位)とアルゼンチン代表(同8位)が11月6日にロンドンのトゥイッケナムスタジアムで激突。“前哨戦”は、30-29でアルゼンチンが制した。

 アルゼンチンがイングランドに勝ったのは13年ぶり。トゥイッケナムでの勝利は2006年以来となった。

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 前半をリードしたのはイングランドだった。24分には敵陣深くのスクラムからの攻撃で、SHベン・ヤングスの近くに走り込んできたWTBジョー・ゾカナシンガがディフェンスを破り、ファーストトライを挙げた。

 アルゼンチンがWTBエミリアノ・ボフェリのペナルティゴール(PG)で得点を重ねたのに対し、イングランドも優秀なゴールキッカーであるCTBオーウェン・ファレルが着実にショットを決め、4点差をつけて折り返した。

 しかし、アルゼンチンは46分(後半6分)、敵陣22メートルライン内に入ると、ラインアウトからすぐにボールを展開し、ループでSOサンティアゴ・カレーラスがブレイク、左外でパスをもらったボフェリがフィニッシュし、逆転した。

ボフェリの正確なゴールキックも勝因となった。トライを含め、ひとりで25得点(Photo: Getty Images)

 アルゼンチンはさらに51分、ディフェンスでプレッシャーをかけてボールを奪い返し、10番のカレーラスが50メートル以上走り切って追加点。24-16となった。

 流れを変えたいイングランドは54分、入替で入ったばかりの21歳SHジャック・ヴァン・ポートヴリートがラックサイドのスペースを抜けてゴールへ走り切り、トライ。コンバージョンも決まり1点差に詰めた。

 その後、両チームともPGを2本ずつ成功。

 試合全体的に、テリトリー、ポゼッションとも大きく下回ったアルゼンチンだが、ディフェンスにはしぶとさがあり、終盤はセットピースでも奮闘し、最後まで果敢にチャレンジし続け、接戦を制した。

 指揮官が名将のマイケル・チェイカに替わって今年8月にはニュージーランドの地で同国代表オールブラックスを倒しているアルゼンチン代表。ヨーロッパ遠征の初戦でも大きな自信をつけ、次週、現地時間12日にはカーディフでウェールズ代表に挑む。
 一方、苦汁をなめさせられたイングランド代表は同日、トゥイッケナムで日本代表と対戦する。つけるエンブレムを桜から薔薇に変え、今回の敗戦で厳しい目を向けられるエディー・ジョーンズ ヘッドコーチにとっても絶対に負けられない重要な一戦となる。

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