東京で日本代表に苦しめられたニュージーランド代表“オールブラックス”だが、ヨーロッパツアーの初戦で強さを発揮した。現地時間11月5日にカーディフのプリンシパリティ・スタジアムでウェールズ代表と対戦し、55-23と圧倒した。
ニュージーランドは序盤、FWを使ってゴールに迫り、HOコーディー・テイラーの連続トライで主導権を握った。
その後、ウェールズがバックスのサインプレーを決めて新鋭WTBリオ・ダイヤーがデビュー戦トライを記録するなど7点差に詰めたが、ニュージーランドは33分、敵陣深くに入っての連続攻撃でアドバンテージを得ると、SOリッチー・モウンガがボールを高く蹴り、右外で長身のCTBジョーディー・バレットがキャッチしてファイブポインターとなった。
後半には、オールブラックスのBKで歴代最多の113キャップホルダーとなった33歳のSHアーロン・スミスが躍動。46分(後半6分)には俊敏な動きと鋭いステップでディフェンスを切り裂き、53分にはダミーを使って切り込んだNO8アーディー・サヴェアからオフロードパスをもらい、2トライを決めた。
その後も黒衣軍団の勢いは止まらず、最後はHOサミソニ・タウケイアホがドライビングモールから持ち出してチーム8トライ目を決め、50点超えとなった。
同日、エディンバラのマレーフィールドでスコットランド代表(世界ランキング9位)に挑んだフィジー代表(同12位)は、12-28で敗れた。
開始早々にイエローカードをもらいながら、前半23分までに2トライを挙げ5点リードを奪ったフィジーだが、39分、スコットランドは敵陣深くのスクラムでアドバンテージを得たあと、ボールを手にしたSOアダム・ヘイスティングスがタテを突いてディフェンダーをかわしてインゴールに持ち込み、コンバージョン成功で逆転した。
後半、スコットランドのWTBドゥハン・ファンデルメルヴァがトライを決め、点差を広げると、フィジーは次第に規律が悪くなり、スクラムでも劣勢となって2枚のイエローカードをもらうなど波に乗れず、数的有利な時間帯にも得点を重ねたスコッドランドが勝利を手にした。
そして、来年のワールドカップで日本代表と同組に入るサモア代表(世界ランキング11位)とチリ代表(同21位)もヨーロッパ遠征で厳しいレッスンを受けた。
サモア代表はパドヴァでイタリア代表(同14位)と対戦し、17-49と大敗。
サモアは序盤、敵陣深くに入って攻め続けたが、エラーや反則で先制できず、その後、バックスが躍動したイタリアを勢いづかせてしまった。
サモアは後半もタッチキックミスやノックオンが続くなど精彩を欠き、大差がついた終盤に3トライを奪い返したが、反撃が遅かった。
ブカレストに飛んだチリ代表は、ルーマニア代表(世界ランク17位)と競ったが23-30で敗れ、初出場となる10か月後のワールドカップへ向けて、今後もタフな経験を積んでいく。