Dマックが日本にいる。
そこは府中のサンゴリアスグラウンドではないけれど、あまり違和感のない光景だった。
10月25日、日本代表との試合を4日後に控えたオールブラックスが練習した。
トレーニング後、ダミアン・マッケンジー(SO/FB)とアントン・レイナートブラウンが報道陣への対応をおこなった。
リーグワン2022開催時、東京サントリーサンゴリアスでプレーしたマッケンジーは、プレーオフを含む14試合に出場した。191点(7T48G20PG)で得点王となる活躍を見せた後、退団した。
5か月ぶりの再来日に、「サンゴリアスでの時間は楽しかった。そんな慣れた場所に戻って来られて嬉しい」と微笑んだ。
日本でのシーズンを終えたあと、NPC(国内州代表選手権)のワイカト代表でニュージーランド(以下、NZ)の国内シーンに復帰した。
11戦に出場し、そのほとんどで10番を背負ってプレーした。
テンポの速い日本ラグビーの中に身を置いた数か月。
母国に戻った後、国内のラグビーにあらためて馴染む必要があった。
「ただ、NZのラグビーも(テンポが)速くなってきています。激しさではNZの方が上。そういった違いに、あらためて慣れる必要はありました。ポジションも10番が多く、FBよりコンタクトが増え、体へのダメージは増しています。でも、いい形で(NZ基準に)戻れました」
マッケンジーにとっては、結果が求められる日本代表との試合だ。
出場か否かは未定も、ピッチに立つことになれば好パフォーマンスは必須となる。
今回のオールブラックスへの選出は臨時招集だ。
当初はオールブラックスXVの一員としてアイルランドA、バーバリアンズと戦う予定だった。
しかし諸事情やケガにより、合流遅れ、不参加となる選手が出たため急遽呼ばれた。
このチャンスを必ずつかみたい。
試合に向けて、ジャパンの高速ラグビーを警戒する。
「日本のプレースタイルは速い。どこからでも攻め、どんどんボールを使う。BKには良い選手が揃い、バックローにもスピードのある選手がいる」
攻撃的なジャパンに対して防御に集中。守りから得たチャンスをものにする、と話した。
「オールブラックスに戻ることができて嬉しい。日本戦のメンバーに入るチャンスを与えられたら、ものにしたい。チーム内での自分の役割を理解した上でプレーします」
56キャップを持つレイナートブラウンは、今週末の試合に向け、「我々は日本代表をリスペクトしています。毎年強くなっているチーム。自分たちのプレーをやる。私もダミアンも久しぶりのオールブラックスでの試合です。このジャージーを着るときにもっとも重要なのは、ベストを尽くすこと。そこに集中します」と話した。
40キャップのマッケンジーも気持ちを高める。
「これまでオールブラックスが日本に負けたことがないのは関係ありません。どのチーム相手でもベストを尽くす(のがNZ代表)。日本のラグビーは強くなっています。そのプレーの速さへの対応など、いい準備をして試合に臨みます」
本気のオールブラックス。
日本代表にとっては、満員の国立競技場でのビッグチャレンジとなる。
また、先週のうちにマッケンジーなど4選手の追加を発表したオールブラックスは、新たにWTBマーク・テレアを招集したことを発表した(10月25日)。
代表スコッドに加わっていたWTBレスター・ファインガアヌクがチームを離脱してNZに帰国した(家族の事情)。
※下に、ラグビーマガジン12月号の別冊付録に掲載されていない追加選手のデータを掲載します(写真をクリックすると大きな画像が表示されます)。