ラグビーリパブリック

「ライリーやバックスリーのスピードは危険」。オーストラリアA、JAPAN XVを警戒

2022.10.01

ライアン・ロナーガン主将。リコーブラックラムズ東京のSOアイザック・ルーカスとは2016年の豪州高校代表でハーフ団を組んだ。(撮影/松本かおり)

すでに6キャップを持つキャプテンの弟、HOラクラン・ロナーガン。(撮影/松本かおり)



 ブランビーズの9番としてスーパーラグビーへの出場は42試合。24歳のライアン・ロナーガンがキャプテンを務める。

 10月1日、秩父宮ラグビー場でJAPAN XVと戦うオーストラリアAが前日朝にスタジアムでトレーニングをおこなった。
 試合には2万人近い観客が訪れる見込みだ。正代表入りを狙う両軍選手たちの好パフォーマンスが期待される。

 チームの先頭に立つロナーガン主将は、スーパーラグビーの経験は豊富でU20代表選出のキャリアもあるが、正代表歴はまだない。
 HOで弟のラクラン(1歳違い)は2021、2022年にすでに6キャップを獲得しているから早く追いつきたいところだ。

 国のトップチームの選手層を厚くすることを目的とする集団のリーダーとして、「私たち選手にとっては、ワールドカップ(以下、W杯)へ向けても、オーストラリア代表へ(選出される目標に)向けても、自分たちを一段高めていくための場。クオリティの高いラグビーを、ワラビーズのストラクチャーの中で経験して成長したい」と話した。

 チームのメンバー構成について、実績のある選手や高校を卒業したばかりの選手がいて、個性豊かと話す。
 上を目指しての競争は、チームにとってエナジーの一部だ。準備期間の短い中でも、ワラビーズのストラクチャーを理解して勝利を手にするつもりだ。

 JAPAN XVの印象について、オーストラリアラグビーの中で若き頃を過ごしたディラン・ライリーを例に挙げて「スピードを警戒したい」と話す。

「ライリーは良いスピードを持っていて、高いポテンシャルを持っています。オーストラリアのU20代表にも選ばれていたので、知られた存在です。日本代表として好パフォーマンスを出していることも嬉しく感じています」
 バックスリーの速さについても警戒する。

 キャプテン自身は、「まず自分の役割、仕事をしっかり果たすことが前提」と話す。
「その上で、パス、キックといったコアスキルをクオリティ高くプレーしたい。シンプルなことを着実にやっていけばいい方向にいく」と、ステップアップしての代表入りを狙う。

 ワラビーズの現時点のワールドランキングは9位(日本は10位)。
 先のザ・ラグビーチャンピオンシップではオールブラックスに勝ちかけ、南アフリカ、アルゼンチンから1勝ずつを手にしたものの2023年W杯で頂点を狙うチームとしては物足りない。

 ロナーガン主将も、「トップチームが苦境にある状況は(代表入りを狙う)選手たちにとって、ある意味チャンス。例えば、(7月におこなわれた)パシフィック・ネーションズカップでは、フィジーの若い選手たちがアピールしていました。私たちも、今回のツアーでいいパフォーマンスを見せたら次につながると思う」と前を見つめる。

 トレーニングではキックチェイス、カウンター攻撃への対処などに時間を割いていた。
 ワラビーズの求めるストラクチャーの中で勝ち切ることができれば、一人ひとりの評価は高まり、競争がさらに激化する。


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