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「タフなゲームになる」。連勝狙う女子アイルランド代表は、サクラフィフティーンのスピードを警戒

2022.08.27

キャプテンのLOニコラ・フライデーは175センチ、87キロ。(撮影/松本かおり)

第1テストで落ち着いたゲームコントロールを見せたSHエルサ・ヒューズ。(撮影/松本かおり)
才能豊かなSOダナ・オブライエンは18歳。(撮影/松本かおり)



 1週間前に35点差で完勝しても油断はない。
 女子アイルランド代表は8月27日、秩父宮ラグビー場で女子日本代表とテストマッチ第2戦を戦う。前日の26日、試合会場で練習をおこなった。

 チームを束ねるLOニコラ・フライデー主将(27歳/28キャップ)は、「先週の勝利(57-22)は嬉しいが、まだまだ課題はある」と話し、続けた。
「日本は2試合目に気合いを入れてくるでしょう。(先週とは)まったく違うゲーム、タフなゲームになると思っています」

 蒸し暑かったこの日。キャプテンの額からは汗が吹き出ていた。
 来日以来、アイルランドとの気候、気温の違いに少しずつ体を慣らしてきたけれど、「明日はもう少し涼しいといいですね」と話した。

 8月20日の静岡での試合は、先に15 点を先行されたところからの逆転勝利だった。
 サクラフィフティーンについて「最初の15分間に遂行力を感じました」という。
「その後は力を発揮できませんでしたが、スピードがあるチーム。明日の試合も、そこを使ってくるでしょう。ブレイクダウンでクイックにボールを使えば、よりスピード感のある、エキサイティングな試合になると思います」

 フライデー主将は英国・プレミアシップのエクセター・チーフス所属。27日の試合でサクラフィフティーンのリザーブ席に座るPR、加藤幸子とはチームメートだ。

 腰を痛め欠場の続いていた加藤が戦列に戻ってきたことについて、「ケガから戻ってきて嬉しい。幸子は質の高い選手で、ボールキャリーも強く、インパクトを与える選手。そんな存在がベンチから出てくるのだから、しっかり対応しなければ」と話した。

 アイルランドは10月に開幕するワールドカップ(以下、W杯)には出場できないものの、ワールドランキング6位の強豪だ。
 同ラグビー協会は女子選手との契約制度を整備中。今後、強化への注力が進み、進化のスピードは、さらに高まると予想される。
 第1テストマッチでも活躍した18歳のSO、ダナ・オブライエンは、この先、チームの中核として長くプレーするだろう。

 オブライエンの才能について、「キック力もあるし、スペースを見極める才能に恵まれています。さらに経験を積めば、どんどん成長していく」と語るのはSHエルサ・ヒューズ(15キャップ)だ。
 試合前日練習ではボックスキックの練習を黙々と繰り返した。オブライエンとハーフバックスを組み、チームを勝利に導く。

 31歳で経験豊富なヒューズは特別支援学校で働きながら第一線でプレーを続けている。
 若い司令塔とコンビを組む者として初戦は、「ダナが自由にプレーできるように、彼女のストレスを軽減することに気を配った」と話した。

 サクラフィフティーンがW杯で戦うイタリアに、シックスネーションズ2022で29-8と完勝したグリーンのジャージーには結束力がある。
 リベンジを誓う日本代表は、これまで以上にプレッシャーをかけ続けるディフェンスを実践するしかない。


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