チームメートもファンも、ふたたび元気な笑顔を見られる日を待っている。
だから、一旦ゆっくりと休んで。
オーストラリア代表(以下、ワラビーズ)のキャプテン、マイケル・フーパーがチームを離れて母国へ戻る。
同選手は8月6日(日本時間7日)にザ・ラグビーチャンピオンシップの初戦、アルゼンチン代表との敵地(メンドーサ)での試合に7番を背負って出場する予定だった。
しかしフーパー主将はメンバー発表後、マインドセット(心理状態)の問題を理由に同テストマッチへの出場を辞退した。
「決断は簡単ではなかった。しかし、現時点では、私とチームにとって正しい決断ということは分かっている」と声明を出した。
「私はこれまでのキャリアの中で、チームを第一に考えてきました。しかし、現在の私は、その責任を果たすことができないと思う」とするフーパー主将は30歳。121キャップを持つ。
初めてワラビーズのキャプテンを務めたのは2014年だった。
その後、HOスティーブン・ムーアの引退後はほとんどの試合でチームの先頭に立った。
主将としての68テストは、59試合のSHジョージ・グレーガンを上回り、ワラビーズ史上最多となった。
デイヴ・レニー監督はフーパーがチームドクターに相談したことで事情を知った。
メディアに対して「人生ではよくあることでしょう。社会には様々な人がいて、多くの場合は何も言わず、黙って苦しんでいる」と話し、フーパーが勇気を示したことを称賛した。
「この数週間、自分の気持ちを抑えてきたと思う。だから我々は何も知らなかった。彼は自分の仕事に専念してきたプロフェッショナル。非常に勇気のいることだが、今回もチームに対し、自分が大丈夫でないことを伝えた。自分自身とチームのために、家に帰ることがベストだと思ったんだ」
同監督は、「家に帰ることで、周囲に多くのサポートを得ることができるだろう」と話した。
フーパーの代わりにアルゼンチン戦で7番を背負うのはフレイザー・マクライト。また、この試合のキャプテンはPRジェームズ・スリッパーが務める。