開幕まで1年2か月を切ったラグビーワールドカップ2023で優勝争いに加わると見られるニュージーランド代表“オールブラックス”だが、28年ぶりに地元でのテストシリーズに負け越した。
歴史的勝利を収めたのはアイルランド代表だ。先週末、初めてニュージーランドの地(ダニーデン)でオールブラックスを倒すと、1勝1敗で迎えたシリーズ最終戦は、7月16日にウェリントンのスカイ・スタジアムで激突し、32-22で制した。
アイルランド代表は、日本遠征を終えてすでに夏休みに入っているフランス代表を抜いて世界ランキング1位になる見通し。
一方、オールブラックスは1994年にフランス代表に連敗して以来となる地元シリーズでの負け越しとなり、直近のテストマッチ10試合の戦績は5勝5敗と低迷している。
オールブラックス×アイルランドの最終戦。
アイルランドは前半から主導権を握った。4分にラインアウトからモールで押し込み先制。その後、オールブラックスにペナルティゴール(PG)を許したが、27分には敵陣に入ってモールでアドバンテージを得たあと、ボールを動かしてテンポよくつなぎ、飛ばしパスを左外でもらったWTBジェームズ・ロウがディフェンダーをひきつけてFBヒューゴ・キーナンの突破をアシストし、トライが生まれた。
アイルランドはさらに、SOジョニー・セクストンのPGでリードを広げると、37分には敵陣22メートルライン内のスクラムからフェイズを重ね、CTBバンディー・アキが抜けてCTBロビー・ヘンショウがフィニッシャーとなり、22-3で折り返した。
19点を追う追うオールブラックスは後半早々、堅守のアイルランドに対して24フェイズ重ね、NO8アーディー・サヴェアがトライを挙げチームを鼓舞した。
50分(後半10分)には危険なプレーをしたアイルランドの選手にイエローカードが提示され、数的有利となったオールブラックスは直後、敵陣22メートルライン内に入って攻め込み、FLアキラ・イオアネがパワーとステップでディフェンスを破り、トライ。コンバージョン連続成功で5点差に詰めた。
その後、アイルランドにPGで突き放されたオールブラックスだが、60分には、自陣深くからのカウンターでWTBウィル・ジョーダンが抜け、そのままゴールへ走り切り、3点差とした。
しかし、アイルランドは64分、敵陣深くに入ってモールで前進し、HOロブ・へリングがインゴールに突っ込み、貴重な追加点を獲得した。
アイルランドは激しいディフェンスでオールブラックスにプレッシャーをかけ続け、ピンチになってもLOタイグ・バーンらがブレイクダウンでターンオーバーを連発し、歴史的勝利となった。