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「調整は順調」。2015年W杯、日本×南アフリカのガルセス レフリーは、現在フランス代表ディシプリン担当コーチ

2022.06.28

選手たちの順応力について話すガルセス コーチ。(©France Rugby)



 来日しているフランス代表チームでディシプリン担当コーチのジェローム・ガルセス氏の会見が行われた(6月26日)。ガルセス氏は、2015年ワールドカップ(以下、W杯)の日本×南アフリカでレフリーを務め、2019年大会決勝戦のレフリーを担当した後に引退した。
 現在はフランス代表で、ディシプリンやコンタクトの姿勢の指導やレフリーの分析などを担当している。

Q.日本に到着して数日が過ぎました。どのように過ごしましたか?

「順調です。今日はトレーニングセンターで1日を過ごしました。午前中はフィジカルトレーニング、正午から2時まではミーティングをいくつかして、その後インテンシティーを上げた練習を12分おこない、終わりました」

Q.12分のインテンシティーの高いトレーニング中、暑さ、湿度をどう感じましたか。

「3分の練習を4回、休憩をはさみながらおこないました。風が強かったため、暑さや湿度はそこまで感じませんでした。選手がこの気候に驚いていたということもありません。むしろ順調に慣れてきています。どちらかといえば、強い風に少し困っていたかもしれません。マルクッシ(フランスの合宿地である国立トレーニングセンター)でも気温を上げた環境で練習をしてきました。日本でも3日目の練習になります。少しずつ感覚を掴んでいます」

Q.日本はウルグアイに2勝しました。前回のW杯後、あまり試合をしていない日本の分析をするのは難しかったのではないですか。

「日本のウルグアイ戦(第2テスト)をしっかり観戦しました。2試合を細かく分析して日本のパフォーマンスの傾向を探ります。オーストラリア戦、アイルランド戦、スコットランド戦も分析しています。スピードのあるラグビーをするチームです。選手はパワフルでラックでもどんどん攻撃してきます」

Q.2015年の日本対南アフリカの試合のレフリーを担当されました。その時から日本チームは進化していると思われますか? どのような印象をお持ちでしょう。

「素晴らしい試合(日本×南アフリカ)の記憶を思い出させてくれてありがとう。あの2015年大会から日本は様々なプレーの分野で革命を起こしました。とりわけスクラムです。組んですぐにスクラムからボールを出すプレーを使った唯一のチームです。2015年は日本ラグビーだけでなく、インターナショナルラグビーにとっても一つの革命となりました。日本はそのまま順調に成長し、2019年は準々決勝に進出しました。とてもレベルの高いチームです。(昨秋の)オーストラリア戦でも、スコットランド戦でも、アイルランド戦でもそれが見られた。後半30分でもレベルが落ちない。選手はパワフルで、ラックからの球出しも速い。レベルの高いプレーをして、決して手を緩めることのない日本チームとの対戦は私たちにとってはチャレンジになります。激しいファイトになるでしょう」

Q.7月2日の試合に勝てばフランスは9連勝となり、代表チームの連勝記録を更新することになります。歴史を書き換えることはどの程度重要ですか?

「まず大切なのは、インターナショナルレベルのパフォーマンスをすることです。シックスネーションズでグランドスラム(全勝優勝)を達成して8連勝となっている。大切なのはプレー、プロジェクト、私に関して言えばディシプリンです。それらあらゆる分野で直近の8試合のレベルを維持することがとても大切です。次の日本との試合でもそれができれば、記録を伸ばすことになるでしょう」

Q.フランス出発時に4人の陽性者が出ました。どのように対応しましたか? グループ内への影響はどうでしょう。

「パリに残らなければならなくなった選手には残念なことでした。しかし彼らも、チームにきょう合流することになっており、とても喜んでいます。チームは出発するのに、自分は合宿所に残らなければならなかった。辛かったでしょう。ローラン・ラビット アタックコーチとショーン・エドワーズ ディフェンスコーチも私たちと一緒に出発することができなかったので、スタッフは順応しなければなりませんでした。彼らの不在をカバーするためにコーチの役割分担を見直しました。しかし常に、全員で共通の認識を共有しているので、何をどうするべきなのか把握しています。また、ローラン(ラビット)とショーン(エドワーズ)もパリにいながら、すべてのトレーニングを見てくれた。彼らの意見も出しつつ活動に参加している。心情的には辛いことですが、チームとしての機能面ではそれほど苦労しませんでした」

Q.新しく加入した選手は、スムーズにグループに馴染んでいますか?

「『グループ・フランス』に新しく加わった選手がたくさんいます。水曜日、日本へ向けて出発する前の練習で驚いたのは、新しく加入した選手も2日間でそれぞれのプロジェクトを理解し、とてもクオリティーの高い練習ができたことです。私たちのメソッドには多くのミーティングがある。選手はそれに積極的に参加し、また選手が準備をするミーティングもあり、新しい選手に説明もしています。そのような交流があるので新しい選手はスムーズにグループに溶け込むことができます。さらにコーチやリーダーの選手とも話し合いながら、グループに順調に馴染んでいます」

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