ラグビーリパブリック

日本代表の2022テストシリーズ始まる。“昇格”目指す男たちがウルグアイ代表に挑む。

2022.06.18

日本代表デビューとなる23歳の根塚洸雅 ©JRFU


 約1年3か月後のラグビーワールドカップ2023フランス大会へ向け強化を進める日本代表の、2022年夏シーズンのテストマッチ(公式試合)シリーズが始まる。
 まず対戦するのは、同じく来年のワールドカップ出場を決めている世界ランキング19位のウルグアイ代表だ(日本代表は10位)。第1戦は、6月18日に東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれる。

 7月のフランス代表(世界ランキング2位)戦を今夏のビッグターゲットとする日本代表“本隊”は宮崎で合宿中で、ウルグアイ代表との第1戦には、代表予備軍とも言われるナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)のメンバーで挑む。

 経験豊富なSO田村優がキャプテンを務め、PR淺岡俊亮、FL飯野晃司、そしてWTBの根塚洸雅と竹山晃暉は先発で日本代表デビューとなる。また、リザーブに名を連ねたPRの海士広大、竹内柊平、LO秋山大地、FLシオネ・ラベマイ、WTB/FBメイン平にとっても初キャップ獲得のチャンスだ。
 6月11日のトンガサムライフィフティーン戦で負傷し離脱した嶋田直人に替わって7番をつけるのは、山本浩輝。

 なお、トンガサムライフィフティーン戦で活躍したLO辻雄康はパフォーマンスが評価され、本隊にけが人が出たこともあって宮崎合宿に招集されたため、ウルグアイ代表との第1戦に名前はない。同じくNDSにいたPR北川賢吾も、同ポジションのクレイグ・ミラーが負傷で日本代表から離脱したこともあり、宮崎に呼ばれた。

 日本代表のジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチは、「私はこの2つのチーム(日本代表とNDS)をひとつの家族だと思っている。ウルグアイ戦で選手たちを使っていくことによってしっかり育成することができるし、いい経験を積ませることができる」と語る。18日の指揮はNDSの堀川隆延ヘッドコーチらに任せるが、試合は見に行くとのことで、「選手一人ひとりがテストマッチのプレッシャーのなかで耐えることができるか、しっかり見ていく。1週間しか準備期間はなかったが、彼らがどう対応していくかは大きなチャレンジだと思うし、楽しみにしている」とコメントした。

 18日のウルグアイ代表戦後、NDSから数人が“昇格”して宮崎の日本代表スコッドに合流する予定。セレクションするジョセフ ヘッドコーチは、「スタンダードという意味ではいいパフォーマンスを見たいと思っている。テストマッチのなかでしっかりと彼らのパフォーマンスを出せるかどうか。選手層を厚くするためには重要だと思っている。試合のなかで自分の仕事をクリアにして、しっかり遂行できるかどうか見ていきたい」と語った。

NDSをキャプテンとして引っ張ってきた田村優 ©JRFU

<6月18日 日本代表 試合登録メンバー>

1.三浦 昌悟(トヨタヴェルブリッツ/7 caps)
2.堀越 康介(東京サントリーサンゴリアス/4 caps)
3.淺岡 俊亮(トヨタヴェルブリッツ/―)
4.ヴィンピー・ファンデルヴァルト(NTTドコモレッドハリケーンズ大阪/18 caps)
5.大戸 裕矢(静岡ブルーレヴズ/4 caps)
6.飯野 晃司(東京サントリーサンゴリアス/―)
7.山本 浩輝(東芝ブレイブルーパス東京/5 caps)
8.テビタ・タタフ(東京サントリーサンゴリアス/9 caps)
9.小川 高廣(東芝ブレイブルーパス東京/2 caps)
10.田村 優(主将/横浜キヤノンイーグルス/68 caps)
11.根塚 洸雅(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/―)
12.ラファエレ ティモシー(コベルコ神戸スティーラーズ/27 caps)
13.シェーン・ゲイツ(NTTコミュニケーションズシャイニンズアークス東京ベイ浦安/1 cap)
14.竹山 晃暉(埼玉パナソニックワイルドナイツ/―)
15.尾崎 晟也(東京サントリーサンゴリアス/3 caps)

〔リザーブ〕
16.日野 剛志(静岡ブルーレヴズ/4 caps)
17.海士 広大(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/―)
18.竹内 柊平(NTTコミュニケーションズシャイニンズアークス東京ベイ浦安/―)
19.秋山 大地(トヨタヴェルブリッツ/―)
20.シオネ・ラベマイ(東芝ブレイブルーパス東京/―)
21.茂野 海人(トヨタヴェルブリッツ/13 caps)
22.立川 理道(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/55 caps)
23.メイン 平(リコーブラックラムズ東京/―)

秩父宮ラグビー場で前日練習をおこなったウルグアイ代表 ©JRFU

 一方、ウルグアイ代表は、海外のクラブに在籍する主力選手の数人が今回来日しておらず、フランスでプレーするCTBのニコラス・フレイタスとフアンマヌエル・アロンソ(リザーブ)以外、21人が自国のペニャロールに所属する選手たち。それでも、ペニャロールはアルゼンチン、ウルグアイ、チリ、ブラジル、コロンビア、パラグアイのチームが競う南米プロリーグ『スーペルリーガ』で今年初優勝しており、長期間一緒にプレーしているためコンビネーションもよく、簡単な相手ではなさそうだ。

 先発するHOギジェルモ・プハダス、FLサンティアゴ・シヴェッタ、NO8マヌエル・アルダオ、SHトマス・インシアルテ、SOフェリペ・エチェヴェリー、CTBのアンドレス・ヴィラセカ、ニコラス・フレイタス、FBロドリゴ・シルヴァは2019年のワールドカップに出場しており、釜石でフィジー代表を下したときに12番をつけて歓喜したヴィラセカが今回のツアーでキャプテンを務める。
 そして、南米初の代表100キャップ到達まであと3つと迫っているユーティリティFW(LO/FL/NO8)のディエゴ・マニョはリザーブに名を連ね、同じくワールドカップ経験者であるPRフアン・エチェヴェリアもベンチで待機する。

 ウルグアイ代表のエステバン・メネセス ヘッドコーチは、「我々のチームは優秀であり、自分たちがやってきたことに対して十分に納得している。若い選手と経験豊富な選手が混ざったチームであり、どんな試合展開であっても自分たちの最大限の力を出さなければならない相手に向かって、成長し続ける絶好の機会だと思う。新しい世代の登場はウルグアイラグビーにとってとても重要。2018年のアルゼンチンユース選手権で戦ったアカデミーの第一世代のうちの何人かが今回のスコッドに含まれ、彼らの成長を目の当たりにすることは素晴らしいことだ」とコメントした。

写真左がウルグアイ代表のエステバン・メネセス ヘッドコーチ ©JRFU

<6月18日 ウルグアイ代表 試合登録メンバー>

1.マティオ・ペリロ(ペニャロール/1 cap)
2.ギジェルモ・プハダス(ペニャロール/18 caps)
3.イグナシオ・ぺクロ(ペニャロール/4 caps)
4.エリック・ドサントス(ペニャロール/8 caps)
5.カルロス・デウス(ペニャロール/―)
6.ルカス・ビアンキ(ペニャロール/―)
7.サンティアゴ・シヴェッタ(ペニャロール/16 caps)
8.マヌエル・アルダオ(ペニャロール/14 caps)
9.トマス・インシアルテ(ペニャロール/22 caps)
10.フェリペ・エチェヴェリー(ペニャロール/11 caps)
11.バルタサール・アマヤ(ペニャロール/1 cap)
12.アンドレス・ヴィラセカ(主将/ペニャロール/66 caps)
13.ニコラス・フレイタス(ヴァンヌ/46 caps)
14.マテオ・ヴィニャールス(ペニャロール/1 cap)
15.ロドリゴ・シルヴァ(ペニャロール/68 caps)

〔リザーブ〕
16.エミリアーノ・ファッセニーニ(ペニャロール/―)
17.エドゥガルド・ベニテス(ペニャロール/37 caps)
18.フアン・エチェヴェリア(ペニャロール/59 caps)
19.ディエゴ・マニョ(ペニャロール/97 caps)
20.トマス・エチェヴェリー(ペニャロール/―)
21.サンティアゴ・アルバレス(ペニャロール/―)
22.フアンマヌエル・アロンソ(ブリーヴ/1 cap)
23.ホセマリア・イルレギ(ペニャロール/1 cap)