ラグビーワールドカップ2023の予選を兼ねた「2022 アジアラグビーチャンピオンシップ」(ARC)の第1戦が6月4日、韓国・仁川市の南洞アジアドラグビー場でおこなわれ、韓国代表が計8トライをマレーシア代表から奪い、55-10(前半 22-3)で圧勝した。
韓国代表は7月に香港代表と優勝を争い、勝者はワールドカップ2023への望みをつないでトンガ代表とのアジア・パシフィック プレーオフに進む。
マレーシアのキックオフで3年ぶりのARCが始まった。前半4分、先制は韓国。ファーストスクラムでマレーシアがコラプシングの反則を犯すと、韓国は敵陣22メートル線ラインアウトへ進む。このラインアウト、すぐにSH李ゴンへボールが渡ると、走り込んだCTB金ヒョンスへ。マレーシア両CTBの間を走り抜けて中央へトライした。コンバージョンはSO金ギミンが決め7-0。
リスタートボールはマレーシアが準備よく確保すると、韓国ゴール前に迫る。5メートルで韓国の反則からスクラムを選択するも、ラック内でこぼし機会を逸した。
11分、韓国のSO金がPG(ペナルティゴール)を成功し、10-0と差を広げる。
次のリスタートもマレーシアが確保する展開になった。マレーシアのアタックに韓国がPGを献上し、SOマットが決め10-3となる。
20分前後、勢いを得たマレーシアは韓国ゴール前へ進むと、日野レッドドルフィンズに所属していたLOディネスバラン・クリシュナンらが執拗にラックサイドを突くも、韓国がディフェンスで粘りゴールラインを越えさせなかった。
24分、マレーシアが攻撃でボールをこぼすと、自陣で拾った韓国CTBファン・インジョが日野でクリシュナンの同僚だったFB鄭ヨンシクへ。鄭はすぐに東京五輪セブンズ代表コンビの右WTB張ヨンフンへ渡す。所属したNTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安の退団が発表された男が、右ライン際を快走しインゴールへ運んだ。
28分にはFB鄭がハーフウェイラインでボールを受けると、50メートル独走し張に続いた。
前半は22-3で終える。
前半互角だったスクラムは、後半に入ると韓国が押し出した。しかし、韓国が攻めるもハンドリングミスで得点できない。
後半8分、敵陣ゴール前8メートルくらいの右ラインアウトを得ると、ショートラインアウトを選択した。一番前にいた東京五輪代表FLチェ・ソンドクがクリシュナンを引きずってインゴールへ置いた。
ここから韓国がホームを盛り上げた。14分にはマレーシアFBペアドがゴール中央へ走り込むも、追っていたCTB金がボールの下に身体を置いてセーブした。
18分には敵陣で左へ展開し、左WTBで主将の金グァンミンへ渡りトライを奪う。金は6分後にもマレーシアの不用意なキックを拾ったSOオ・ジミン(22番)のもとへ走り込み、2トライ目をあげた。この時点で41-3と韓国が試合を決定づけた。韓国はさらに2トライ追加し、55-3とする。
マレーシアは39分にゴール前右ラインアウト起点でNO8サウクロが唯一のトライを奪ったが、55-10で試合終了となった。
韓国代表の金グァンミン主将は「いい試合ができた。7月の香港戦に向けて日本でも練習をして備えていきたい。トライは他の選手がいいプレーをしたおかげ」とチームメートに感謝した。
韓国代表は6月中旬、来日する予定だ。
<韓国代表メンバー/マレーシア戦>
※(所属、T=21年東京五輪代表、W=21年アジアセブンズ代表)
1.李ヒョンス(韓国電力)、2.チェ・ホヨン(高麗大)、3.カン・スンヒョク(軍体育部隊)、4.金テファン(韓国電力)、5.シン・ダヒョン(韓国電力)、6.チェ・ソンドク(軍体育部隊、TW)、7.ノ・オクギ(韓国電力)、8.朴ジュンヨン(韓国電力)、9.李ゴン(韓国電力、W)、10.金ギミン(韓国電力)、11.金洸民(キム・グァンミン、韓国電力、TW)、12.金ヒョンス(韓国電力、TW)、13.黄仁朝(ファン・インジョ、韓国電力)、14.張容興(チャン・ヨンフン、大韓協会。’22年5月NTTコム退団、T)、15.鄭演植(チョン・ヨンシク、現代、’19~20年度まで日野、TW)
〔リザーブ〕
16.ユ・ジフン(現代グロービス)、17.康太見(カン・テヒョン。韓国電力。’14年度までNEC)、18.シン・ギス(高麗大)、19.朴ジュンボン(現代)、20.イム・ジュンヒ(ポスコ建設)、21.チェ・ミンソン(ポスコ建設)、22.呉ジミョン(ポスコ)、23.張ジョンミン(韓国電力、T)