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12年ぶりのグランドスラム狙うフランス、ウェールズ戦はプノーらが新型コロナ陽性で欠場。

2022.03.10

スコットランド戦でも活躍し、フランスの3連勝に貢献したダミアン・プノー(Photo: Getty Images)


 前節、スコットランドに快勝(36-17)したフランス代表チームに、現地メディアは「強固なディフェンスときらめくようなアタック、フレンチフレアーの復活」と大いに盛り上がり、12年ぶりのシックスネーションズ優勝への気運がさらに高まった。グランドスラムへの期待も膨らみ、今週末のウェールズ戦が事実上の決勝という声も聞かれていた。

 3月9日、ウェールズ戦のフランス代表メンバー発表は予定より15分遅れて始まった。
 冒頭にラファエル・イバネスGMが「ダミアン・プノー(WTB)とロマン・タオフィフェヌア(LO)が今朝のPCR検査で陽性と診断されたため、ウェールズ戦に参加することができなくなった」と発表した。

 プノーの予測不能な野生味あふれる本能的なプレーは今大会でもこのチームの武器の一つだった。タオフィフェヌアは影の仕事人で、現体制になってから2020年のイングランド戦を除いては全試合に出場している。ここに来て大きな戦力を失いチームには大きな打撃だ。

「2人ともチームと一緒にウェールズへ出発するための荷造りも終えていた。2人のことを思うと胸が痛む。僕自身も経験したからどれだけつらいことなのかわかる」とファビアン・ガルティエHCは述べた。

「おそらく再検査をすることになるだろう。さらに陽性者が出る可能性も考えられる。そのための準備もできている」と続けた。

 発表されたメンバー選考は今回も継続性が重視されている。ギャバン・ヴィリエールが11番に復帰し、予備メンバーに入るはずだったヨラム・モエファナがプノーの代わりに14番をつける。一方、タオフィフェヌアの代わりには、彼のような縁の下の力仕事ができるLOではなくWTBマチス・ルベルが入った。新たにLOを招集するよりもこのグループでずっと一緒に練習してきた選手を選んだのだ。

「状況に適応するためだ。いつ、どこで、何が起ころうとも、お互いにカバーし合うことができるグループをつくってきた。そのため今まではFW6+BK2だったフィニッシャー(リザーブ)を今回はFW5+BK3とした」とガルティエHCは説明した。

 唯一の変更は、右プロップのリザーブにモアメッド・アウアスが入ったことだ。11月のアルゼンチン戦以来である。昨夏のオーストラリア戦からインパクトプレーヤーとして期待に応えていたデンバ・バンバと代えた理由を問われ、「アウアスの方がいいから。所属クラブのモンペリエで良いパフォーマンスを続けているし、代表での練習でもポジティブな兆しが感じられる」とガルティエHCは答えた。

 アイルランド戦に続いてスコットランド戦でもハイボール処理に苦戦したFBメルヴィン・ジャミネについて質問されると、「スコットランドは風が強かった。レシーバーには難しい状況。空中戦は個人だけの問題ではない。チーム全体で責任を持って対応しなければならない。地上で勝たなければ空中で勝てない」と前回と同じ答えを返した。

 現地記者がハイボールにこだわるのは、ウェールズのSOダン・ビガーがジャミネを狙ってくることを懸念しているからだ。ウェールズにはハイボールキャッチが得意なFBリアム・ウィリアムズもいる。ジャミネとエスコートプレーヤーの進化が見られるだろうか。

 何よりも、陽性反応者がこれ以上出ないことを祈る。

◆ウェールズvsフランス
3月11日(金)21時キックオフ(日本時間3月12日 5時キックオフ)

ウェールズ戦メンバー↓

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