前節、スコットランドに快勝(36-17)したフランス代表チームに、現地メディアは「強固なディフェンスときらめくようなアタック、フレンチフレアーの復活」と大いに盛り上がり、12年ぶりのシックスネーションズ優勝への気運がさらに高まった。グランドスラムへの期待も膨らみ、今週末のウェールズ戦が事実上の決勝という声も聞かれていた。
3月9日、ウェールズ戦のフランス代表メンバー発表は予定より15分遅れて始まった。
冒頭にラファエル・イバネスGMが「ダミアン・プノー(WTB)とロマン・タオフィフェヌア(LO)が今朝のPCR検査で陽性と診断されたため、ウェールズ戦に参加することができなくなった」と発表した。
プノーの予測不能な野生味あふれる本能的なプレーは今大会でもこのチームの武器の一つだった。タオフィフェヌアは影の仕事人で、現体制になってから2020年のイングランド戦を除いては全試合に出場している。ここに来て大きな戦力を失いチームには大きな打撃だ。
「2人ともチームと一緒にウェールズへ出発するための荷造りも終えていた。2人のことを思うと胸が痛む。僕自身も経験したからどれだけつらいことなのかわかる」とファビアン・ガルティエHCは述べた。
「おそらく再検査をすることになるだろう。さらに陽性者が出る可能性も考えられる。そのための準備もできている」と続けた。
発表されたメンバー選考は今回も継続性が重視されている。ギャバン・ヴィリエールが11番に復帰し、予備メンバーに入るはずだったヨラム・モエファナがプノーの代わりに14番をつける。一方、タオフィフェヌアの代わりには、彼のような縁の下の力仕事ができるLOではなくWTBマチス・ルベルが入った。新たにLOを招集するよりもこのグループでずっと一緒に練習してきた選手を選んだのだ。
「状況に適応するためだ。いつ、どこで、何が起ころうとも、お互いにカバーし合うことができるグループをつくってきた。そのため今まではFW6+BK2だったフィニッシャー(リザーブ)を今回はFW5+BK3とした」とガルティエHCは説明した。
唯一の変更は、右プロップのリザーブにモアメッド・アウアスが入ったことだ。11月のアルゼンチン戦以来である。昨夏のオーストラリア戦からインパクトプレーヤーとして期待に応えていたデンバ・バンバと代えた理由を問われ、「アウアスの方がいいから。所属クラブのモンペリエで良いパフォーマンスを続けているし、代表での練習でもポジティブな兆しが感じられる」とガルティエHCは答えた。
アイルランド戦に続いてスコットランド戦でもハイボール処理に苦戦したFBメルヴィン・ジャミネについて質問されると、「スコットランドは風が強かった。レシーバーには難しい状況。空中戦は個人だけの問題ではない。チーム全体で責任を持って対応しなければならない。地上で勝たなければ空中で勝てない」と前回と同じ答えを返した。
現地記者がハイボールにこだわるのは、ウェールズのSOダン・ビガーがジャミネを狙ってくることを懸念しているからだ。ウェールズにはハイボールキャッチが得意なFBリアム・ウィリアムズもいる。ジャミネとエスコートプレーヤーの進化が見られるだろうか。
何よりも、陽性反応者がこれ以上出ないことを祈る。
◆ウェールズvsフランス
3月11日(金)21時キックオフ(日本時間3月12日 5時キックオフ)
ウェールズ戦メンバー↓
🏴🇫🇷 Voici 𝐧𝐨𝐭𝐫𝐞 𝐞́𝐪𝐮𝐢𝐩𝐞 pour affronter le Pays de Galles vendredi soir à Cardiff !
— France Rugby (@FranceRugby) March 9, 2022
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