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オールブラックス撃破のイメージで。シックスネーションズ初戦へ、フランス代表メンバー発表

2022.02.06

オールブラックス戦に続きLOに入るカメロン・ウォキ。(Getty Images)

『France Rugby』のtwitterより



 シックスネーションズ開幕を2日後に控えた2月4日(金)、フランス時間の午前10時を過ぎた頃だった。フランス代表のファビアン・ガルティエHCは自らのツイートで「今朝、新型コロナウイルス陽性と診断された」と発表した。
 2日前の朝に検査した時は陰性だったが、夕方から軽い症状を感じ再度検査した後、自主的に隔離に入った。翌日の朝、陽性の結果が告げられた。

 水曜日に選手へのシックスネーションズ初戦(対イタリア)のメンバー発表があり、木曜日はオフだった。
 チームは金曜日に合宿地の南仏からパリに移動しているが、ガルティエHCは隔離に入ってからも、トレーニングの映像も見ているし、すべてのミーティングにリモートで参加しているという。

 このため恒例のメンバー発表記者会見は開かれなかったが、ガルティエHC 自ら、AFP(フランス通信社)を通じた電話取材に応じ、日曜日のイタリア戦のメンバー選考について説明した。

「継続性と集団での経験値」の必要性をこれまでも繰り返し訴えてきたガルティエHCとそのスタッフは、今年のシックスネーションズの開幕にあたるイタリア戦に、11月のNZ戦に勝利したメンバーで引き続き臨む。

 ただし、負傷していたHOマルシャンがスターティングに復帰。NZ戦で2トライを決めプレイヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれたモヴァカはインパクトプレイヤーとして後半試合に入り、フィニッシャーとして止めを刺すことになる。

 FWの第2列と第3列は、前回同様、空中戦での高さと地上戦でのパワーのベストなバランスを模索した。NZ戦に続いてまたもや本来FLのウォキがLOに入った。

 またベンチのメンバーについては、「土曜日(試合前日)の朝に最後のPCR検査がある。万が一、陽性の選手が出た場合も想定して選考した。リュキュが9、ラモスは10、フィクーは15、プノーがCTBで練習もしている。FLクルタンはWTB、モエファナは4つのポジションでプレーできる。誰かが欠場になった場合、誰が代わりにメンバーに入るかも決まっている」と万全の備えだ。

 発表された23人中8人が、この2か月で試合の延期や中止が続き、またクラブ内にもクラスターが発生したため練習もできていなかったトゥールーズの選手で、彼らのコンディションが気になるところだ。

 特にデュポンは、ウイルス(コロナではない)に感染して高熱を発し、それが原因で4年前に手術をした膝に激しい痛みを生じて治療。やっと練習に復帰したところコロナウイルス陽性と判断され隔離とグラウンドから離れて過ごさなければならない日が続いていた。
 1月29日に7週間ぶりに戦列復帰したが、さすがにいつもの精彩を放つプレーは見られなかった。

「確かにアントワンヌ(デュポン)は100パーセントではない。彼のデータを見ながら負荷を調節したメニューを与えていて、順調に回復している。彼は生まれながらにしてアスリートとしての素晴らしい資質を備えた選手、しかもプロのアスリートだ。感染して5〜6日隔離期間で練習できなかった他のトゥールーズの選手も同様、各自の状態に合わせて調整さえすればハイレベルのアスリートの身体はすぐに反応する」とパフォーマンス・ディレクターのチボー・ジルーは記者たちを安心させた。

 ガルティエHCは試合当日も試合前、ハーフタイム、試合後にリモートでチームトークに参加、また試合中は電話でラファエル・イバネスGMとスタッフに指示を伝えることになる。
 まだまだ状況適応力が試される大会になりそうだ。

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