先週のジョージア戦に41-15と点差をつけて勝利したフランスだが、現地メディアからは「説得力がない」と厳しい評価だった。
「いるべきところにいるべき選手がいなかった。プレーの組み立てや選択で正確さを欠き、我々のテンポに持っていくことができなかった」とファビアン・ガルティエHC(ヘッドコーチ)は試合後の会見で分析した。
今週のニュージーランド戦では、アルゼンチン戦で1トライ、ジョージア戦で2トライを決めたペアト・モヴァカがHOでスタートする。フィニッシャーとして試合に入ると常にチームに勢いを与え、セットピースも安定している。ジュリアン・マルシャンの負傷が無くても、スターティングメンバーになってもおかしくない選手だ。
右PRでスタートするウイニ・アトニオは、38キャップの経験と、145kgの重さをフランスパックにもたらす。LOには今回もFLが本職のカメロン・ウォキが選ばれた。先週のジョージア戦で危なげなくLOの役割をこなし、「パワーと運動量を兼ね備え、地上戦と空中戦どちらにも強い」とガルティエHCの信頼を得た。FW第3列は、アントニー・ジュロン、フランソワ・クロス、グレゴリー・アルドリットが並ぶ。試合が激しくなればなるほど、プレーの強度をあげる3人だ。
FWは、足りていなかったフィジカルの厚みを加えながら、パワー、モビリティー、空中戦のバランスを考えたメンバーになった。また、「試合の途中でタフなフィニッシャーを投入して、敵FWを80分間支配したい」というのがガルティエHCの構想だ。
先週もこだわった『ジャリタマック』システムは、CTBガエル・フィクウも絡み、効果が見られた場面もあったが、今回はチームが慣れている形に戻る。「アントワンヌ(デュポン)とロマン(ンタマック)はトゥールーズで一緒にプレーしている。CTBのジョナタン(ダンティー)とガエル(フィクウ)もスタッド・フランセで3年間ペアを組んでいた。ニュージーランドは7月のトンガ戦から14試合、チームとして経験を積んでいて、それぞれの動きが意識しなくても繋がるぐらい刷り込まれている。今回はチームとしての経験値とパフォーマンスで選んだ」とガルティエHCは説明した。
WTBには、並外れた加速で攻撃的なダミアン・プノーと、ラックにもどんどんボールを奪いに行きガッツのあるディフェンスのギャバン・ヴィリエールのペア。そしてゴールキック、ハイボールキャッチでも安定を見せるメルヴィン・ジャミネが今回もFBに選ばれた。2023年のアウトサイドBKは、この3人が濃厚と見られている。
先週は日曜日に試合で準備期間が今回は1日少ない上に、エマニュエル・マクロン大統領や、人気俳優のジャン・デュジャルダンの激励訪問もあり、ラグビー以外にも行事が入っていたレ・ブルー(フランス代表の愛称)だが、「ベストな準備ができた」とガルティエHCは断言する。
両国の対戦は、2009年6月にダニーデンでフランスが勝利してからは、フランスの14連敗中だ。フランス国内での試合では、フランスの勝利は2000年11月のマルセイユの試合まで遡る。その試合にSHで出場していたのはガルティエHCだ。ちなみに、対するニュージーランドをキャプテンとして率いていたのは、東芝ブレイブルーパス東京で現在ヘッドコーチを務めているトッド・ブラックアダー氏だった。
直近の対戦は、2017年11月、スタッド・ド・フランスでおこなわれた試合で、18-38でフランスの敗戦にも関わらず最優秀選手に選ばれたのは、代表初スタメンのデュポンだった。
前回のように、もしくは前回以上にボールを持って走り回るデュポンを見ることができるだろうか?
注目のフランス対ニュージーランド戦は11月20日・午後9時(日本時間21日・午前5時)キックオフ。
🇫🇷🇳🇿 𝐈𝐋 𝐄𝐒𝐓 𝐋𝐀̀ ! Votre #XVdeFrance qui défiera les @allblacks samedi soir à 21h au @StadeFrance !
— France Rugby (@FranceRugby) November 18, 2021
On a hâte d'y être et vous ? 💪
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