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2023W杯優勝を狙うフランスとNZが今週末激突 レ・ブルーは「ベストな準備できた」

2021.11.19

フランス代表。この秋の戦いではアントワンヌ・デュポン(左端)が主将を務めている(Photo: Getty Images)


 先週のジョージア戦に41-15と点差をつけて勝利したフランスだが、現地メディアからは「説得力がない」と厳しい評価だった。

「いるべきところにいるべき選手がいなかった。プレーの組み立てや選択で正確さを欠き、我々のテンポに持っていくことができなかった」とファビアン・ガルティエHC(ヘッドコーチ)は試合後の会見で分析した。

 今週のニュージーランド戦では、アルゼンチン戦で1トライ、ジョージア戦で2トライを決めたペアト・モヴァカがHOでスタートする。フィニッシャーとして試合に入ると常にチームに勢いを与え、セットピースも安定している。ジュリアン・マルシャンの負傷が無くても、スターティングメンバーになってもおかしくない選手だ。

 右PRでスタートするウイニ・アトニオは、38キャップの経験と、145kgの重さをフランスパックにもたらす。LOには今回もFLが本職のカメロン・ウォキが選ばれた。先週のジョージア戦で危なげなくLOの役割をこなし、「パワーと運動量を兼ね備え、地上戦と空中戦どちらにも強い」とガルティエHCの信頼を得た。FW第3列は、アントニー・ジュロン、フランソワ・クロス、グレゴリー・アルドリットが並ぶ。試合が激しくなればなるほど、プレーの強度をあげる3人だ。

 FWは、足りていなかったフィジカルの厚みを加えながら、パワー、モビリティー、空中戦のバランスを考えたメンバーになった。また、「試合の途中でタフなフィニッシャーを投入して、敵FWを80分間支配したい」というのがガルティエHCの構想だ。

 先週もこだわった『ジャリタマック』システムは、CTBガエル・フィクウも絡み、効果が見られた場面もあったが、今回はチームが慣れている形に戻る。「アントワンヌ(デュポン)とロマン(ンタマック)はトゥールーズで一緒にプレーしている。CTBのジョナタン(ダンティー)とガエル(フィクウ)もスタッド・フランセで3年間ペアを組んでいた。ニュージーランドは7月のトンガ戦から14試合、チームとして経験を積んでいて、それぞれの動きが意識しなくても繋がるぐらい刷り込まれている。今回はチームとしての経験値とパフォーマンスで選んだ」とガルティエHCは説明した。

 WTBには、並外れた加速で攻撃的なダミアン・プノーと、ラックにもどんどんボールを奪いに行きガッツのあるディフェンスのギャバン・ヴィリエールのペア。そしてゴールキック、ハイボールキャッチでも安定を見せるメルヴィン・ジャミネが今回もFBに選ばれた。2023年のアウトサイドBKは、この3人が濃厚と見られている。

 先週は日曜日に試合で準備期間が今回は1日少ない上に、エマニュエル・マクロン大統領や、人気俳優のジャン・デュジャルダンの激励訪問もあり、ラグビー以外にも行事が入っていたレ・ブルー(フランス代表の愛称)だが、「ベストな準備ができた」とガルティエHCは断言する。

 両国の対戦は、2009年6月にダニーデンでフランスが勝利してからは、フランスの14連敗中だ。フランス国内での試合では、フランスの勝利は2000年11月のマルセイユの試合まで遡る。その試合にSHで出場していたのはガルティエHCだ。ちなみに、対するニュージーランドをキャプテンとして率いていたのは、東芝ブレイブルーパス東京で現在ヘッドコーチを務めているトッド・ブラックアダー氏だった。

 直近の対戦は、2017年11月、スタッド・ド・フランスでおこなわれた試合で、18-38でフランスの敗戦にも関わらず最優秀選手に選ばれたのは、代表初スタメンのデュポンだった。

 前回のように、もしくは前回以上にボールを持って走り回るデュポンを見ることができるだろうか?

 注目のフランス対ニュージーランド戦は11月20日・午後9時(日本時間21日・午前5時)キックオフ。

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