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堅守誇るスコットランド、「点差開いても日本は危険」と警戒。雪辱期しホッグ、リッチーら先発

2021.11.19

スコットランド代表歴代最多トライの新記録を狙うスチュアート・ホッグ(Photo: Getty Images)


 スコットランド代表は今年のオータム・ネーションズシリーズで好調だ。初戦でトンガ代表を圧倒し、2戦目では当時世界ランキング3位だったオーストラリア代表に競り勝った。先週は2019年ワールドカップチャンピオンの南アフリカ代表に敗れたものの最後まで苦しめ、勇敢さを印象づけた。そして、今週末のラストゲームは雪辱を期して臨む。相手は、2年前に横浜(ワールドカップ)で敗れた日本代表だ。今度の舞台はスコットランド代表のホーム。11月20日にエディンバラのマレーフィールドで対戦する。

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「我々は2年前から成長している。強くなったと思っている」
 そう語るのは、ワールドカップ日本大会でも指揮を執り、悔しさを胸にスコットランド代表を強化してきたグレガー・タウンゼント ヘッドコーチだ。
「今週末の日本戦ではきちんとポゼッションを確保して、我々がやるべきことをより良い形でやりたい。特にディフェンスは重要となってくる。ゲームマネジメントをしっかりし、トライを少しでも挙げることができればさらにいいと思う。できれば前半にトライを獲りたい。点差をつけていても、日本は危険なチームなので、我々のベストパフォーマンスを発揮したい」

 指揮官が言うように、ディフェンスはスコットランド代表の武器のひとつだ。今年のシックスネーションズ(欧州6か国対抗戦)で失点はアイルランド代表に次いで2番目に少なく、オータム・ネーションズシリーズではトンガ代表、オーストラリア代表、南フリカ代表といった攻撃力が高い3チーム相手に合計で4トライしか許さなかった。
 2年前に横浜で屈辱を味わい、今回もベンチ入りするスクラムハーフのジョージ・ホーンは、「スコットランドは世界で最高のディフェンス力を持つチームのひとつだと思う。日本に多くのプレッシャーをかけ、オフロードゲームをさせないようにしたい。2019年のような試合にはならないだろう。もし我々がいいパフォーマンスを上げれば、彼らを倒すのに十分だと思う」とコメントしている。

今年はブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズでもプレーしたハミッシュ・ワトソン(Photo: Getty Images)

 指揮官は「日本にボールを持たせると非常に脅威」と警戒しており、ディフェンスでインパクトを与えられる選手を起用したと語る。敗れた南ア戦から先発メンバーは7人変わった。
 そのなかで注目すべきはフランカーのハミッシュ・ワトソンだ。攻守にわたって仕事量の多いハードワーカーで、今年のシックスネーションズでは全5試合に出場してボールキャリー67回(2位)、55回のタックルをノーミスですべて決めるなど奮闘が光り、大会最優秀選手に選ばれた。

 ワトソンに負けず劣らずアグレッシブで、副将を務めるフランカーのジェイミー・リッチーは、ワールドカップの日本戦で最も激しくファイトした選手であり、多くの日本人の記憶に残っているだろう。

ワールドカップの日本戦で田村優につかみかかるジェイミー・リッチー(Photo: Getty Images)

 また、ワトソンと同じく、英国とアイルランドの精鋭を集めて4年に一度結成されるドリームチーム『ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ』に今年選ばれたPRザンダー・ファーガソン、SHアリ・プライス、SOフィン・ラッセル、CTBクリス・ハリス、WTBドゥハン・ファンデルメルヴァ、FBスチュアート・ホッグも20日の日本戦に先発する。
 主将のホッグは先週の南ア戦でテストマッチ通算24トライ目を挙げ、スコットランド代表歴代最多トライ記録に並んでおり、日本戦で記録を塗り替える可能性がある。

 若手で注目は、NO8で先発する24歳のジョシュ・ベイリスだ。2週間前のオーストラリア戦で代表デビューを果たしたベイリスについてタウンゼント ヘッドコーチは、「クラブラグビーからテストレベルへ成長してほしいと思っている。経験をさせたい」と初先発のチャンスを与えた。「彼はスピードがある。日本は本当に速いラグビーをしてくるので、そこに反応する意味でも期待している」

 2年前の屈辱を忘れていないスコットランド代表にとっては、ホームで絶対に負けられない試合。指揮官のコメントからも熱い思いが伝わる。
「我々は、勝利のパフォーマンスが自分たちの国をどれだけ持ち上げることができるか知っている。土曜日にマレーフィールドですべてを出し切りたい」

パワフルなトライゲッターであるドゥハン・ファンデルメルヴァ(Photo: Getty Images)

<スコットランド代表 試合登録メンバー/2021.11.20 vs 日本代表>

1.ジェイミー・バティ(グラスゴー・ウォーリアーズ/21 caps)
2.ジョージ・ターナー(グラスゴー・ウォーリアーズ/19 caps)
3.ザンダー・ファーガソン(グラスゴー・ウォーリアーズ/41 caps)
4.スコット・カミングス(グラスゴー・ウォーリアーズ/20 caps)
5.グラント・ギルクリスト(エディンバラ/47 caps)
6.ジェイミー・リッチー(副将/エディンバラ/30 caps)
7.ハミッシュ・ワトソン(エディンバラ/44 caps)
8.ジョシュ・ベイリス(バース/1 cap)
9.アリ・プライス(グラスゴー・ウォーリアーズ/45 caps)
10.フィン・ラッセル(副将/ラシン92/57 caps)
11.ドゥハン・ファンデルメルヴァ(ウスター・ウォーリアーズ/12 caps)
12.サム・ジョンソン(グラスゴー・ウォーリアーズ/20 caps)
13.クリス・ハリス(グロスター/30 caps)
14.ダーシー・グラハム(エディンバラ/21 caps)
15.スチュアート・ホッグ(主将/エクセター・チーフス/87 caps)

〔リザーブ〕
16.スチュアート・マキナリー(エディンバラ/42 caps)
17.ピエール・スクーマン(エディンバラ/3 caps)
18.ジャヴァン・セバスチャン(スカーレッツ/―)
19.サム・スキナー(エクセター・チーフス/14 caps)
20.ディラン・リチャードソン(シャークス/―)
21.マット・ファーガソン(グラスゴー・ウォーリアーズ/16 caps)
22.ジョージ・ホーン(グラスゴー・ウォーリアーズ/16 caps)
23.ブレア・キングホーン(エディンバラ/27 caps)

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