ラグビーリパブリック

秋の戦いに臨むフランス代表のメンバー発表。2023W杯のライバル、NZとも激突へ

2021.10.20

フランス代表に初招集された22歳のWTBマチス・ルベル(Photo: Getty Images)


 オータム・ネーションズシリーズに向けたフランス代表のメンバー発表がおこなわれた。
 夏のオーストラリア遠征は、トップ14(国内リーグ)決勝と時期が重なり、また他チームの主力も休ませたこともあり、新しい選手が代表デビューする機会となったが、「シックスネーションズ(欧州6か国対抗戦)のアイルランド戦以来9か月半ぶりに、現時点でのベストなチームを選ぶことができて嬉しい。ワールドカップ開幕戦までにニュージーランドと対戦できる唯一の機会(11月20日)、とても楽しみだ」とファビアン・ガルティエHC(ヘッドコーチ)は会見の冒頭に述べた。

 しかしながら、主将のFLシャルル・オリヴォンをはじめ、SHバティスト・セラン、CTBアルチュール・ヴァンサン、PRモアメド・アウアスらの主力が負傷のため不在である。

「2020年に現在の代表スタッフがスタートした時にフランスラグビーとは何なのかを考えた。1番目のアイデンティティーは『フレンチフレア』。試合で負けても相手チームより多くラインブレークする。たとえトライにつながらなくても。2番目は『本能的』であること。アングロサクソン人のまねをするのではなく、ガリア人らしくフィールドを突っ切る。このことをベースに『強みをさらに強くする』強化メソッドを築いてきた。練習で感覚を鍛え、データで分析力を培い、映像で視覚化する。ラテン特有の感情面は鍛えることができないが、これが強みになる。『本能』が働き脳の感情スイッチをオンにすると、理屈では説明できない状況を生み出し、アングロサクソンを倒すこともできる」と、あくまでもフランス人の強みにこだわる。

 今回の選考にあたって変更したところがある。「過去の敗戦6試合中5試合は最後のアクションで勝ちを逃したことから、どの選手で試合を終えたいのかということをまず考えた。チーム全体での経験が浅くパニックになった。感情面を含めた全ての分野で屈強な『フィニッシャー』が必要」と説明する。

 経験に関しては、「ワールドカップまでの残り18試合でチーム全体の経験値を上げて2023年までにチームの平均年齢28歳、平均キャップ数を40〜50キャップに持っていきたい」と展望を述べるガルティエHC。

 今回選ばれた42名の平均年齢は25歳、平均キャップ数は13。ノーキャップの選手が9人いる。その内、初招集はLOチボー・フラマン(24歳)とWTBマチス・ルベル(22歳)の2名だ。2名ともトゥールーズという競争の激しいチームでポジションを獲得し、コンスタントに活躍していることが評価された。
 
 代表活動期間中もトップ14の試合が2節予定されており、控えを含む試合メンバー28名に入らなかった選手は水曜夜にリリースされそれぞれのクラブに帰り、週末クラブの試合に出て、日曜夜に代表チームに再合流する。ただ、フランス代表だけで10人も不在になるトゥールーズの選手は代表チームでも主力クラスばかり。コーチを悩ますドゥブロン(代表とトップ14の試合が重なる)の季節がまたやって来た。


▼フランス代表メンバーリスト
https://twitter.com/FranceRugby/status/1450124249168064512?s=20

【追記】
メンバー発表記者会見の後、WTBギャバン・ヴィリエールは検査の結果、ハムストリング負傷のため参加できなくなり、ヴァンサン・ラテーズが代わりに招集された。

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