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100回目の対決制したのはNZ! 土壇場で南アに逆転勝ちし南半球4か国対抗優勝に花添える

2021.09.25

勝利の瞬間、決勝PGを決めたジョーディー・バレット(手前)と抱き合う兄のボーデン(Photo: Getty Images)


 ラグビーの世界ランキング現在1位であるニュージーランド代表“オールブラックス”と、2019年のワールドカップ王者である南アフリカ代表“スプリングボックス”。互いに偉大なライバルと認め合う両チームの記念すべき100回目の対戦を制したのは、オールブラックスだった。

 2021年9月25日、この世界的2強は、オーストラリアのクイーンズランド州で集中開催されているザ・ラグビーチャンピオンシップ(南半球4か国対抗戦)の第5節でぶつかり、19-17でニュージーランド代表が逆転勝ちした。

 1921年から始まった両チーム間の激闘の歴史はこれで、ニュージーランド代表の60勝36敗4分けとなった。

 さらに、ニュージーランドは2021ザ・ラグビーチャンピオンシップで5勝0敗(総勝点24)となり、最終節を前に1位が確定し、昨年のトライネーションズ(南アフリカが新型コロナウイルスの影響で不参加だったため、オーストラリア、アルゼンチンとの3か国のみで実施)に続いてタイトル獲得となった。

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 タウンズビルのクイーンズランド・カントリーバンク・スタジアムでおこなわれた歴史的一戦。

 先制したのはニュージーランドだった。
 前半2分、黒衣の男たちは自陣10メートルライン付近でパスを乱したものの、ボールを拾ったHOコーディー・テイラーが小回りのきいた走りでタックルを2つ外して突破し、サポートについたWTBウィル・ジョーダンが約45メートル走り切った。

 しかし6分、ニュージーランドのWTBジョージ・ブリッジが自陣深くで相手のハイパントを落球し、それを確保した南アのWTBスブ・ンコシがトライゲッターとなり、流れは変わる。南アは、11分にはSOハンドレ・ポラードがペナルティゴール(PG)を決め、逆転した。

 その後、互いにPGで加点し、10-11で迎えた35分、攻め込んでいたニュージーランドに対し、南アのンコシが故意にノックオンをしたと判定されて10分間の退出となり、流れはニュージーランドに傾く。南アは1人少ないとはいえ、彼らの堅いディフェンスを知るニュージーランドのゲームキャプテン、アーディー・サヴェアはショットで確実に3点を取ることを選択し、FBジョーディー・バレットが決め、13-11と再逆転して前半を終えた。

 緊迫した試合は後半しばらくスコアは動かなかったが、58分(後半18分)、南アがPGで再び先行する。3分後にニュージーランドもショットで加点したが、南アは67分、フィジカルプレッシャーで相手の反則を引き出し、ポラードがここも確実に決めて1点リードを奪った。

 残り時間5分を切り、追いかけるニュージーランドが敵陣22メートルライン内に入るも、南アはLOフランコ・モスタートがラインアウトスチールに成功し、ピンチを脱出する。

 ワールドカップチャンピオンが、このまま逃げ切るかと思われた。

土壇場のターンオーバーでNZにPGチャンスをもたらしたクイン・トゥパエア(Photo: Getty Images)

 しかし、77分、数分前にベンチを出てCTBに入っていたニュージーランドの22歳ルーキー、クイン・トゥパエアが敵陣10メートルライン付近のブレイクダウンでからみ、相手の反則(ノットリリースザボール)を引き出し、PGチャンスを得る。タッチライン近くの難しい位置だったが、これをFBジョーディー・バレットが見事に決め、19-17と逆転した。

 南アはラストアタックで敵陣10メートルラインに迫ったものの、モスタートが落球し、まもなく、ノーサイド。
 死闘となった100回目のライバル対決を制して歓喜したのは、オールブラックスだった。

スプリングボックスとの間で競う「フリーダムカップ」も獲得したオールブラックス(Photo: Getty Images)
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