ラグビーリパブリック

「チームメートとラグビーに感謝」。カナダのスター、ネイサン・ヒラヤマが引退

2021.09.10

オリンピックは今回の東京大会が初めてだった。(Getty Images)



 世界が認めるセブンズのスターが引退を表明した。
 7人制カナダ代表として長く活躍してきたネイサン・ヒラヤマがブーツを脱ぐ。自身のSNSで9月9日(日本時間)に表明した。

 同選手は33歳。先の東京オリンピックの開会式では女子バスケットボールのミランダ・アイムとともにカナダ選手団の旗手を務めた(チームは7位入賞)。
 18歳でセブンズ代表にデビューし、進化を続けてきた同代表の中心選手として活躍してきた。15人制代表としても23キャップを持ち、2011年と2015年のワールドカップに出場している。

 ヒラヤマは、曾祖父母が日本からカナダに移り住んだ日系4世。父も元カナダ代表(ギャリー・ヒラヤマ/キャップ12)で、7人制代表としても活躍した人だ(初めて香港セブンズに参加した同国セブンズ代表のメンバー)。
 自身は14歳でラグビーを始めた。ヴィクトリア大学ではフィジカル・エデュケーションを学んだ。

 ワールドラグビーセブンズシリーズ(以下、ワールドシリーズ)で残した足跡を振り返れば、その偉大さが伝わるだろう。
 ワールドシリーズでの363試合出場はカナダ代表史上最多。通算1859得点は世界歴代3位の記録だ(559G)。2017年のシンガポール大会では優勝している。

 引退表明のSNSでは、初めてのドバイセブンズで『セブンズの神様』と呼ばれたワイサレ・セレヴィ(フィジー)と会った衝撃について、「彼のことを知らない人には、(アイスホッケーの神様)ウェイン・グレツキーと会ったような感覚と言えば分かってもらえると思う」と述べ、続けた。
「38歳の彼は18歳の僕に、『最低あと20年はやれるぞ』と言ったんだ」

 自身のラグビーライフを、こう振り返っている。
「感謝の気持ちしかありません。家族や友人、サポーター、スタッフ、対戦相手に感謝しています。なかでも一番は、チームメートと、私に多くのものを与えてくれたこの(ラグビーという)ゲームに感謝です。メイプルリーフ(のエンブレム)を胸に、仲間たちとともに世界のトップと戦えたことを光栄に思っています。高校時代にラグビーに夢中になったリッチモンド出身の子どもにとって、本当に夢のような出来事でした」

「これからもラグビーを愛し続け、カナダと世界中の次世代のラグビー選手をできる限りサポートしていきたい」と締めくくっている。

Exit mobile version