ラグビーのニュージーランド代表“オールブラックス”とオーストラリア代表“ワラビーズ”による伝統の戦い、「ブレディスローカップ」の第2戦が8月14日にオークランドのイーデンパークでおこなわれ、ニュージーランドが57-22で快勝した。ニュージーランドは先週末の第1戦も制していたため2連勝でシリーズ勝ち越しとなり防衛成功、19年連続で名誉あるカップを保持することが決まった。
前半から激しい競り合いとなった。
4分、オーストラリアがキックをまじえた攻めで敵陣22メートルラインに迫ったが、黒衣の13番、リーコ・イオアネが相手のパスをインターセプトして約80メートル走り切り、ニュージーランドが先制した。
早めに流れを変えたいオーストラリアは8分、WTBマリカ・コロインベテの力走で敵陣深くに入り、フェイズを重ねてアドバンテージを得ると、SOノア・ロレシオが右外のWTBアンドリュー・ケラウェイにキックパスを通し、ケラウェイが相手FBダミアン・マッケンジーを振り切ってトライ。この日も接戦を予感させた。
しかし、先に加点したのはニュージーランドだった。24分、FLアキラ・イオアネが自陣深くからランで大きくゲインし、FBマッケンジー、LOブロディ-・レタリックとつないでトライが生まれた。
その後、オーストラリアがペナルティゴール(PG)で3点を奪い返したものの、ニュージーランドは33分、SOリッチー・モウンガのカウンターで敵陣深くに入ってフェイズを重ね、最後はNO8アーディー・サヴェアがHOコーディー・テイラーの後押しを受けてインゴールにねじ込み、追加点を挙げた。
それでも、2002年以来のブレディスローカップ奪還を目指すオーストラリアが執念を見せ、ハーフタイム前、ゴール前のスクラムでアドバンテージを得ると、ボールを手にしたSHテイト・マクダーモットが隙間を突いてトライゲッターとなり、6点差に詰めて折り返した。
反撃ムードを高めたオーストラリアは、後半の立ち上がりはよかった。ゴール前まで攻め込み、反則を犯したニュージーランド側にイエローカードが出たため数的有利のチャンスとなる。
しかし、直後のラインアウトを失敗し、好機を逃してしまう。
逆にニュージーランドはこの流れの変化を見逃さず、47分(後半7分)、ハーフウェイからSHアーロン・スミスがダミーで抜け、サポートについていたHOテイラーにつなぎ、トライ。
さらに、53分にはFBマッケンジーが約60メートルのPGを決めて加点すると、54分にはWTBセヴ・リースが自陣で相手のロングパスをインターセプトし、独走でスコアを重ねた。60分にもHOテイラーがフィニッシャーとなり、リードを拡大。
ニュージーランドの勢いは止まらず、65分にはFLダルトン・パパリイが壁に穴をあけ、オフロードパスをもらったNO8サヴェアがダイナミックな走りでビッグゲイン、WTBウィル・ジョーダンにつないでトライを挙げ、コンバージョンも決まって50点に到達した。
オーストラリアは69分にWTBケラウェイがトライを奪い返したが、反撃はそこまで。
ライバル対決は80分を過ぎても意地と意地のぶつかり合いでなかなかプレーは切れず、目まぐるしく攻守が入れ替わり、最後はニュージーランドのCTBデイヴィッド・ハヴィリがトライを取り切って黒衣の男たちが歓喜した。
なお、この試合は南半球の強豪4か国(南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリア、アルゼンチン)が競うザ・ラグビーチャンピオンシップの開幕戦を兼ねており、ニュージーランドは南半球制覇へ向けても好発進となった。