ラグビーリパブリック

“ギタウ法”は問題なし。サム・ケレビ、2年ぶりにワラビーズ復帰へ。

2021.08.12

東京オリンピックに出場したサム・ケレビ。再び国際舞台で躍動する(Photo: Getty Images)


 東京サントリーサンゴリアスに所属するサム・ケレビが、2年ぶりにオーストラリア代表“ワラビーズ”に復帰する。
 2019年のラグビーワールドカップ(準々決勝敗退)後、インターナショナルシーンから離れていた27歳のケレビだが、今年、7人制オーストラリア代表にサプライズ選出され、東京オリンピックに出場。ダイナミックなランナーとしてインパクトを示し、ワラビーズ復帰を期待する声が高まっていた。

 オーストラリアの複数のメディアによると、東京オリンピックを終えて帰国したケレビは、検疫のため現在はシドニーのホテルに滞在中だが、今週末には自由となってワラビーズに合流すると見られており、8月28日にパースでおこなわれるニュージーランド代表戦(ブレディスローカップ第3戦/ザ・ラグビーチャンピオンシップ第2節)で復帰する可能性があるという。

 ワラビーズのセンターは、ブレディスローカップの第1戦で12番、第2戦は13番で先発するハンター・パイサミが第1子誕生を控え一時離脱する可能性があるため、同ポジションで33キャップを重ねてきたケレビはカバーとして追加招集された。

 オーストラリアラグビー協会は基本的に、代表チームの選考は国内を拠点とする選手を対象とするが、代表60キャップ以上を取得しスーパーラグビーレベルで7季以上プレーした選手ならば海外を拠点としていても資格があるとされている。そのセレクションポリシーは、2015年、当時フランスのトゥーロンに在籍していたマット・ギタウをワールドカップスコッドに入れるため作られたことから「ギタウ・ロー(ギタウ法)」と呼ばれるが、見直すべきだという声がある。日本のサントリーに在籍しているケレビは「ギタウ・ロー」の基準に適合しないが、オーストラリアラグビー協会は昨年9月、「ギタウ・ロー」を改正して海外を拠点とする60キャップ未満の選手でも2人までなら招集可とし、日本でも活躍を続けるワールドクラスのケレビに声がかかった。

 デイヴ・レニー ヘッドコーチは、「サムは私たちにとってすばらしいオプションとなる。彼はいまでも国際レベルでプレーする意欲がある」と述べており、期待している。

Exit mobile version