11日間で3試合という過酷なテストシリーズを制したのは、オーストラリア代表だった。
自国に遠征してきたフランス代表との第1戦は23-21、第2戦は26-28。そして7月17日、中3日で迎えた最終戦はブリスベンのサンコープスタジアムでおこなわれ、地元ファンの声援もエナジーにしたオーストラリア代表“ワラビーズ”が33-30で競り勝ち、激闘のシリーズを2勝1敗で制した。
前半5分、強烈なタックルで相手選手を倒したオーストラリアのWTBマリカ・コロインベテに対し、レフリーは、首およびあご付近へ肩でコンタクトした危険なタックルだったと判断し、レッドカード。一発退場となり、オーストラリアは残り75分間を14人で戦う苦しい展開となった。
しかし、主将のFLマイケル・フーパーらが攻守でチームを鼓舞し、ほかの選手たちも奮闘。20-20で折り返した。
一方のフランスは、6月下旬に国内リーグのプレーオフ決勝を戦ったトゥールーズとラ・ロシェルのスターたちが遠征不参加で、そのほかにも数人の主力選手を欠いていたが、2023年の自国開催ワールドカップへ向けてワイダースコッドの強化は進んでおり、今回の遠征でも充実ぶりを証明した。
後半、先に得点したのは“レ・ブルー”、フランスだった。
46分(後半6分)、自陣深くのスクラムから持ち出したSHバティスト・クイユがブラインドサイドを突き、ボールをもらったWTBテディ・トマがキックを使ってチャンスを拡大、その後も次々とつなぎ、CTBピエール=ルイ・バラシが鮮やかなチームアタックを完成させた。
しかしオーストラリアは50分、ゴールに迫ってFWが猛攻を繰り返し、数分前に入ったばかりでフレッシュレッグのPRタニエラ・トゥポウがパワフルに突っ込んでインゴールにねじ込み、トライ。コンバージョンも決まり同点となった。
その後、両チームともペナルティゴール(PG)でスコアを動かし、30-30で迎えた76分、オーストラリアが敵陣でのスクラムでプレッシャーをかけ、フランスの反則を引き出す。SOノア・ロレシオがPGを決め、勝ち越した。
リスタート後、ボールキープで逃げ切りを図ったオーストラリアがハーフウェイ付近で反則を犯し、フランスはショットを狙わずタッチに蹴り、ラインアウトから攻めて敵陣22メートルライン内に入ったが、オーストラリアは接点のファイトで新鋭LOダーシー・スワインなどがからみ、フランスにボールを出させず、笛が鳴り、ゴールドジャージーの男たちが歓喜した。