イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドの一流選手を集めたドリームチーム「ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ」を率いるウォーレン・ガットランド ヘッドコーチが、6月26日の日本代表戦へ向け、早くも試合登録メンバーを発表した。
会場はエディンバラ(スコットランド)のマレーフィールド。基本的に、4年に一度チームを編成して南半球へ遠征するライオンズが地元で試合をするのは珍しく、2005年にカーディフ(ウェールズ)でアルゼンチン代表と対戦して以来のホームゲームとなる。
なおこの試合は、新型コロナウイルス感染症対策で観客数は制限されるが、16,500人まで入場が認められている。
ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズは、日本代表戦のあと南アフリカへ遠征し、2019年のワールドカップを制した同国代表“スプリングボックス”とのテストシリーズなどを控えており、弾みをつけるためにも大事な初戦となる。
ガットランド ヘッドコーチは2年前のワールドカップでベスト8入りを果たした日本代表の実力を認めており、「タフな試合になるだろう。日本はハイテンポでプレーし、ボールを動かすのが好きなチーム。彼らのフィールド全体を使ったアタックは脅威であり、ディフェンスは堅く、セットピースも強い」と警戒している。
先発メンバーにイングランド代表選手はひとりもいない。先週末、所属クラブの一員としてプレミアシップ(イングランド最高峰リーグ)のプレーオフ準決勝を戦ったブリストル・ベアーズやセール・シャークスの選手、プレミアシップ再昇格がかかる入替戦があったサラセンズの選手はいずれもライオンズに合流したばかりで、スコットランド代表FBスチュアート・ホッグを含むエクセター・チーフスの選手は26日にプレミアシップ決勝を控えているため。
サラセンズの看板選手でイングランド代表主将でもある世界的スターのSO/CTBオーウェン・ファレルは、日本代表戦はベンチで待機する。
今年のシックスネーションズ(欧州6か国対抗戦)で優勝したウェールズ代表からは5人が先発。世界歴代最多の157キャップを誇る同代表の闘将で、今回ライオンズのキャプテンを務めるLOアラン=ウィン・ジョーンズはスタメンでチームをけん引する。司令塔となるSOダン・ビガーとFBリアム・ウィリアムズも国際経験豊富だ。WTBジョシュ・アダムズは2019年ワールドカップのトライ王。
アイルランド代表選手で先発するのは6人おり、LOでプレーすることが多い身長198センチのタイグ・バーンは6番をつける。FWはサイズが大きな選手が並び、セットプレーとフィジカルの強さは日本代表にとって脅威となりそうだ。NO8ジャック・コーナンなどハードなボールキャリアーも多い。
スコットランド代表でスターティングメンバーに名を連ねたのは、PRのローリー・サザーランドとザンダー・ファーガソン、FLハミッシュ・ワトソン、WTBドゥハン・ファンデルメルヴァの4人で、彼らは全員、この試合がライオンズデビューとなる。攻守でハードにプレーし運動量豊富なワトソンは今年のシックスネーションズで大会最優秀選手に選ばれており、パワフルなランナーであるファンデルメルヴァは同大会の最多トライゲッターだった。
日本代表のライオンズ戦メンバーは24日に発表される予定。
<ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ 試合登録メンバー>
1.ローリー・サザーランド Rory Sutherland(スコットランド/エディンバラ)
2.ケン・オーウェンズ Ken Owens(ウェールズ/スカーレッツ)
3.ザンダー・ファーガソン Zander Fagerson(スコットランド/グラスゴー)
4.イアン・ヘンダーソン Iain Henderson(アイルランド/アルスター)
5.アラン=ウィン・ジョーンズ Alun Wyn Jones(ウェールズ/オスプリーズ) 【主将】
6.タイグ・バーン Tadhg Beirne(アイルランド/マンスター)
7.ハミッシュ・ワトソン Hamish Watson(スコットランド/エディンバラ)
8.ジャック・コーナン Jack Conan(アイルランド/レンスター)
9.コナー・マレー Conor Murray(アイルランド/マンスター)
10.ダン・ビガー Dan Biggar(ウェールズ/ノーサンプトン)
11.ドゥハン・ファンデルメルヴァ Duhan van der Merwe(スコットランド/エディンバラ)
12.バンディー・アキ Bundee Aki(アイルランド/コナート)
13.ロビー・ヘンショウ Robbie Henshaw(アイルランド/レンスター)
14.ジョシュ・アダムズ Josh Adams(ウェールズ/カーディフ)
15.リアム・ウィリアムズ Liam Williams(ウェールズ/スカーレッツ)
〔リザーブ〕
16.ジェイミー・ジョージ Jamie George(イングランド/サラセンズ)
17.ウィン・ジョーンズ Wyn Jones(ウェールズ/スカーレッツ)
18.タイグ・ファーロング Tadhg Furlong(アイルランド/レンスター)
19.コートニー・ロウズ Courtney Lawes(イングランド/ノーサンプトン)
20.タウルペ・ファレタウ Taulupe Faletau(ウェールズ/バース)
21.アリ・プライス Ali Price(スコットランド/グラスゴー)
22.オーウェン・ファレル Owen Farrell(イングランド/サラセンズ)
23.アントニー・ワトソン Anthony Watson(イングランド/バース)