ヨーロッパの強豪6か国が競うシックスネーションズは、現地時間2月27日に第3節の2試合がおこなわれ、開幕から2連勝していたウェールズ代表が地元カーディフのプリンシパリティスタジアムでイングランド代表を40-24で下し、暫定首位に浮上した。
前年王者のイングランド代表は1勝2敗となり、連覇は厳しくなった。
ウェールズは前半15分、敵陣22メートルライン内、ポスト正面近くでPKを得ると、相手の一瞬の気のゆるみを見逃さなかったSOダン・ビガーがショットではなく左へキックパスを放ち、それをダイレクトキャッチしたWTBジョシュ・アダムズが両チームを通じて最初のトライを決めた。
29分にもテンポよく攻め、アダムズがディフェンス裏にキックで転がし、それに反応したWTBルイス・リースザミットはボールを確保し損ねたものの、ノックオンの判定はなく、ルーズボールを拾ったFBリアム・ウィリアムズがフィニッシュ。TMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)でトライが認められた。
その後、イングランドに点差を詰められたウェールズだが、17-14で迎えた47分(後半7分)、敵陣22メートルライン内でPKを得ると、SHキアラン・ハーディーがクイックタップから仕掛け、そのままゴールに持ち込みリードを広げた。
開幕節で黒星を喫し、連覇へ向けてもう負けられないイングランドは、PGで3点を奪い返し、61分にはスピーディーな連続攻撃で敵陣深くに入り、間隙を突いたSHベン・ヤングズがフィニッシュ。主将のCTBオーウェン・ファレルがコンバージョンを決め、24-24と同点に追いついた。
だが、今大会で規律の悪さが課題となっているイングランドは、この試合でも反則を多発し、ウェールズは途中から出場のSOカラム・シーディが66分、69分、74分と3連続PG成功で得点。
78分にはLOコリー・ヒルがだめ押しトライを決め、ウェールズが歓喜となった。
ローマでは、開幕から連敗していたイタリア代表とアイルランド代表が対戦し、アイルランドが6トライを挙げ、48-10と圧倒した。
2023年のワールドカップ前に第一線から退く可能性があることをほのめかしている35歳の世界的SOジョニー・セクストンは、この日、巧みなプレーメイクで何度もトライを演出し、8本のゴールキックはすべて決めた。
なお、現地時間28日にパリ郊外で予定されていたフランス代表×スコットランド代表の試合は、新型コロナウイルス感染症の検査でフランス代表に多数の陽性者が確認されたため、延期となった。