ラグビーユニオンの国際統括団体であるワールドラグビーは11月30日、女子のラグビーワールドカップに出場するチームを、2025年大会から16チームに拡大すると発表した。2021年のニュージーランド大会はこれまで通り12チームでおこなわれる。
ワールドラグビーによれば、女子ラグビーは近年において記録的な成長を遂げており、世界のラグビー競技人口の1/4(4分の1)を女子が占めているという。
2019年5月の発表では、世界中でラグビーに参加した女子は約270万人で、2017年の調査と比較すると28%増と急上昇している。これは、『Get Into Rugby』プロジェクトなど地道な普及活動はもちろん、7人制ラグビーがオリンピック競技になったことも大きく影響しており、英国メディアのBBCによれば1995年の女子ラグビーの競技人口は約4万5000人だったため、それから60倍も増えたことになる。
また、2020年11月に発表された、測定・データ分析業界の世界的なリーダーであるニールセン社が新たにまとめたグローバル調査によると、調査対象の36か国における女子ラグビーファン人口は2019年時点で1億4000万人を超え、2018年比で29%増加していた。
このように、女子ラグビーへの関心が高まり、参加者数も増加するなかで下された女子ワールドカップ拡大の決断は、変革的な『女子ラグビー戦略計画 2017-25』を通じ女子ラグビーの世界的発展を加速させるというワールドラグビーのコミットメントを反映したものであり、より競争力をつけた多くのチームに最高峰舞台でプレーするチャンスを提供するものとなった。
2025年以降のラグビーワールドカップ開催国の選考プロセスは2021年2月に開始となり、22年1月に各国協会から正式な立候補を受け付け、同年5月に選定される予定。日本ラグビー協会も、2025年または2029年の女子ワールドカップ招致に関心を持っていると言われている。
ワールドラグビーのビル・ボーモント会長は、「女子ラグビーは、ラグビーが世界規模で拡大していくための最も大きなチャンスです。近年、より多くのチームが国際レベルで実力を発揮するようになり、加盟協会においても女子ハイパフォーマンスプログラムの開発を続けています。ラグビーワールドカップの門戸を広げたことで、世界中の協会が引き続き女子ラグビープログラムに取り組み、成長させていくためのさらなる刺激となるでしょう」とコメントした。